はじめまして、フリーランスで映像クリエイター/グラフィックデザイナーをしているよこやまと申します。
クラウドソーシングが一般的になり、気軽に利用して副業されてる方や、本格的に利用している方も増えてきました。
クラウドソーシングといえばランサーズとクラウドワークスが有名ですが、その中でコンペ形式というお仕事があります。
今回の記事は「コンペ形式でなかなか当選できない、したことがない」というデザイナーの方のために僕が実際に行っている当選の確率を少しでも上げるための戦略をお伝えしていきます。
デザインスキルはある程度持っていることが前提となっていますので、それを踏まえた上でご一読くださると幸いです。
クライアントの依頼に対して複数のクリエイターから提案を募り、その中でクライアントが最も気に入った提案を採用し、該当者に報酬を支払う仕組み。
基本的に採用されなかったら報酬は無し!
デザインコンペ当選のための戦略~応募編~
具体的にどうやってコンペを獲っていったか説明していきましょう。コンペには単純に実力だけで当選するとは限らない面があります。
ギャンブルや抽選に近いという考えもありますが、少しでも当選確率を上げるようにすることが大事です。
まず実際に応募するにあたり、どのコンペを選ぶべきかを決めます。
僕はグラフィックデザイナーですので、メインとするところはチラシ・ポスター・パンフレット、名刺、もしくはバナーやWEBデザインですが、イラスト案件などにも応用できるはずです。
作戦1 得意ジャンルを狙え!
あなたの得意なジャンルのコンペのみを狙って応募します。苦手なジャンルで挑戦しても勝算が少ないだけです。
もちろん他の応募者も得意ジャンルだから応募しています。ですので、さらにジャンルを絞っていきます。例えば
このように同じチラシでもクライアントの希望を探っていき、自分の得意ジャンルから近いものを狙って応募します。
チラシのデザインでも不得意なジャンルの案件であれば優先度は下げます。
似顔絵のイラストなどが得意で、募集要項にその旨が書いてあれば狙っていきます。少しでも有利な点があれば勝算は上がります。
作戦2 効率よく数多く応募せよ!
宝くじと同じで、コンペは提案しないと当選しない、との考えでとにかく時間を見つけては応募していました。
前述しましたが闇雲に応募しても当選できるわけではありません。しかし数をこなすということは必要です。
作戦1で絞ったコンペを多数ピックアップし、可能な限り応募します。制作する時は自分で時間を決めましょう。この制作は2時間以内で作る、と目標を決めて始めるといいです。
例えば3000円のコンペに5時間も6時間もかけていては当選したとしても時給は安くなるばかりです。逆に30000円のコンペを1時間で仕上げれば時給30000円ということになります。
コンペは落選の方が多いものなので、時間をかけた上で応募する価値があるかないかの判断をする必要があります。効率性は非常に重要です。
例えばチラシデザインなら表面のみ作って提案して様子を見たり、パンフレットデザインなら抜粋して提案します。
中には全て完成させた状態での提案を求めるクライアントもいますが、一部のみ提案でも当選することはあります。
当選してから残りを提案するとコメントしておきましょう。
作戦3 ライバルは少ないほうがいい!ニッチを狙え!
募集開始からある程度日数が経っていて応募が少ないコンペから閲覧していきます。クラウドワークスでは絞り込みができます。
提案が少ないコンペにはいくつかの共通点があります。
- クライアントの依頼が曖昧でわかりにくい
- 報酬が安すぎる、かつ内容が見合っていない
- ボリュームが多くコンペでやるにはしんどい
- スキル・ジャンルが狭すぎる
大体がどれかが当てはまっています。
①クライアントの依頼が曖昧でわかりにくい
ひどいものだと何を作ればいいのかわかりません。ただし、クライアントがクラウドワークスでの依頼に慣れていない場合があります。
直接メッセージを送りしっかりヒアリングすることで詳細を教えてもらえる可能性があります。
うまくいくと自分だけが先に詳細を知ることができ、当選するチャンスが生まれます。
②報酬が安すぎる、かつ内容が見合っていない
1000円でLP作ってというコンペを見たことがあります。無視してOK。ただしバナーのコンペなどで3000円くらいのをよく見かけます。
バナー作るのに30分もかからないというのでしたら、そこから狙っていくのもありです。(採用されれば時給は6000円です!)あくまで時間と報酬のバランスが大事です。
③ボリュームが多くコンペでやるにはしんどい
高報酬だけど仕事量が多いパターン。
この場合は一部のみを提案したりして対応します。(クライアントによっては提案段階での仕事範囲を指定してくれていたりもします)
稀にイラスト100点全部提出などありますが、この場合は無視して大丈夫です。仮に一人しか応募していなくてもコンペはクライアントが採用しない場合もあるので危険です。
時間をたくさんかけて膨大な仕事をこなしたうえで不採用(報酬無し)となったら目も当てられません。。
④スキル・ジャンルが狭すぎる
コンペで多いのはチラシ・ポスター・バナー・ロゴ・イラストなどですが、まれに珍しいスキルを要すコンペが募集されていることもあります。
CADであったり3Dモデリングだったり。こういう場合は応募者の絶対数が少なくなる傾向にあります。
僕が発見したオススメの穴場ジャンルはOFFICE関連のコンペです。
OFFICEはマイクロソフトのパワーポイントやワードなどのことです。
- 自社で編集したいのでパワーポイントで作成してほしい
- ワードしか使えないのでワードで作って欲しい
という依頼があります。
なぜこの依頼が狙い目かと言うと、Macユーザー(クリエイターに多い)はOFFICEソフトを使っておらず、またOFFICEソフトが条件のコンペで応募してくる人はノンデザイナーの方が多いです。
そのため、OFFICEが使えるデザイナーならかなり有利になります。
実際に僕は何回も当選したことがあります。(ちゃんとクオリティ高く制作すれば当選しやすい!)
これはコチラの記事でも書かれていましたが、別名「ハイエナ作戦」ともいいます(笑)
コンペの絞り込み機能でその日が終了するコンペを見ていきます。中には提案が0~1件というものがあります。
大体が前述した内容に当てはまっているのですが、そこを狙い撃ちします。
同じことを考える人もいるので終了までには何件か提案が入ることもあります。ですがクライアントがいい加減で内容が不明なコンペですと結局当選者なしで分配金が発生することもままあります。
中には分配金狙いでひどいクオリティで応募する人もいます。なのでこの方法は基本おススメはしません。
以上が応募するにあたっての作戦です。応募する案件が決まりましたら制作に入りましょう。
ここからは制作時に気をつけるだけで当選確率を上げる作戦を紹介していきます。
デザインコンペ当選のための戦略~実践編~
ここから少しデザイン的な考えの内容になります。といっても僕は学校などで学んだわけではありませんので、理論的なことは書きません。あくまでコンペでの方法になります。
作戦4 クライアントの好みを探れ!
過去にもコンペを開催しているクライアントの場合、閲覧可能なら必ず過去の当選作品を見ておきましょう。
クライアントも各々好みがあります。派手なのが好きなのか、可愛らしいのが好きなのか、把握することは大事です。メッセージでやりとりすることも有効です。
希望のデザインテイストをヒアリングできるだけで全然違います。その後、コンペの追記などにヒアリングした内容を書かれることもありますが、書かない場合もあります。そうなるとライバルから一歩差をつけることができます。
ただし稀に好みが変わる場合があります。クオリティ高い提案でなびくこともあります。爽やかなイメージと言っていたのに、当選したものはそうではないデザインということもよくあります。
そういう時は素直に諦めましょう。下記のデザインは実際にクライアントの好みを調べて応募して当選しました。
作戦5 写真で差をつけろ!
デザインコンペではありがちなのですが、写真などの素材の提供がクライアントからないことが多いです。「写真はフリー素材などでお願いします」と書かれています。
この場合、写真はフリー素材のサイトから使用することが多いですが、やはりそこはフリーなのでよく見る写真が多く使われます。実際にこのような素材はいろんなところで見ています。
当然他の応募者もどこかで見たような写真が並ぶことが多いです。ですので、写真はなるべくあまり使われていないものが好ましいです。
海外のサイトを使う
海外のサイトでもフリー素材はあります。日本の風景や日本人を使う必要のないデザインの場合、僕は海外のサイトから写真を選びます。実例をあげます。
↑の画像は実際に僕がコンペで採用されたWEBバナー。写真とテキストのみのシンプルなデザインです。写真が特に日本人の指定がありませんでしたので、海外のサイトからいいものを探しました。
あとはコピーを考え配置するだけです。実際に掛かった時間はほぼ、写真を選ぶ時間です。ちなみにこのコンペでは複数当選で3つ当選の中僕は2つ選ばれました。もう一つが下の画像です。
ここぞという時は有料素材で勝負!
クライアントが負担してくれるという場合であれば進んで有料素材のカンプデータを使いましょう。
こちらの画像はソフトバンクの求人広告のコンペで、結構高額で片面(コンペで作業量は大事)だったので人気のコンペでした。
多くの応募者がいる中、僕はまっ先に有料写真を使うことを決めました。
やはり有料写真のクオリティが高いこと、種類も多いのでデザインに幅が出ること、そして写真について何も記載がなかったので無料写真での応募が多かったことが理由です。
単純に写真だけが当選の決めてではありませんが、僕の中の基準として写真を大きく使うデザインでは写真が全てと思っています。
結果当選したのですが、この有料写真の費用についてはどうなるのか。
当然どちらかが払う必要がありますので、そこはクライアントと話をします。ですが、有料写真を使う場合、僕は自分で払うつもりで使います。
高くても数千円ですので、報酬から差し引いてもいいと思う時は迷わず買います。
報酬が少なくなる場合は買いません。クライアントに買ってもらうように最初に伝えます。この話を最初にしておかないと後々揉める原因になりますので要注意です。
作戦6 修正依頼が来たら全力で対応せよ!
普通にデザインの仕事をしていたら修正が来ると、仕事が増えると感じるかもしれません。ですがコンペの場合、修正依頼が来たら大きな前進です。
クライアントによっては修正依頼をしても当選しない場合もありますが、確率的には大きく当選に向かっています。
その時、可能な限りすばやく対応しましょう。時間がかかるならひとまず返信だけでもし、いつまでに修正をしますという旨を伝えます。
クライアントが法人の場合、社会的な信用も重要なファクターです。この人に任せて大丈夫と思っていただければ当選確率もぐっと上がります。
以上が僕がコンペの当選確率をあげるためにとっている戦略です。
デザインスキルやクライアントの希望を汲み取る力も当然大事です。その上で、いかにクライアントの目を引き、当選に持っていくかをお伝えしました。
デザインコンペを有効活用するには:まとめ
僕はコンペで多数当選したことで、クラウドワークスでPRO WORKERに選ばれましたし、作品を見て直接仕事を依頼されたこともあります。
プロジェクト方式での仕事も当選作品をサンプルにすることで受注することも多くなりました。
当選したコンペの中には1時間もかからずに作ったものもあります。そのコンペに限っては費用対効果としてはかなり高いです。(手を抜いたわけではありません)
逆に気合を入れすぎて長時間かけても泣かず飛ばず、ということもあります。でもデザインスキルや制作スピードを上げるという面でもメリットはあります。同じテーマで制作された他のデザイナーの作品を見て勉強することもできます。
リスクと報酬、時間のバランスを考え、できるだけ楽しくコンペに参加していくのがいいのではないでしょうか。その上で当選してお金をもらえたら最高に嬉しいと思います。