こんにちは。現在ゲーム系メインでフリーのイラストレーターとして活動しております、まやま(@UsaHalumi)です。
昨今ではココナラやSKIMAなど個人間で仕事を依頼し合えるWEBサービスが流行っていますね。
イラストレーター界隈でも自分の得意なイラスト制作スキルを販売できるとして人気です。
似顔絵やアイコン制作、サイト用のヘッダーやアイキャッチイラストなど狙えるジャンルは多岐にわたります。
販路拡大を狙い、こういったサイトでアカウントを作り受注制作を考える方も多いでしょう。
私もココナラで「あなたのオリジナルキャラクター、描きます」というサービスを開設してみました。
するとすぐに何件か、個人の方から問い合わせがありました。
サンプルにあげた作品から、運営側よりプロ認定のお話もいただきました。
需要自体はあるようです。
ところが、結局いただいたお問い合わせから確約に至ったものはたった1件でした…
それも、ネット上のサービスからではなく仕事用のメールアドレスに直接連絡をいただいた1件のみです。
需要はあるのに受注まで至らない・・・。そこでその原因を分析してみました。
個人依頼のイラスト仕事を請ける上で気をつける3つのポイント
イラストレーターが個人クライアントの依頼を請ける場合、気をつけなければならないことが3つあります。
特に企業クライアントとの仕事に慣れている方は要注意です。
- 価格設定
- 求めるサービス、提供すべきサービスへの意識のズレ
- メッセージングはコスト
この3点を意識しておかないと個人案件を受注することは難しいです。
私の実体験をもとに詳しく解説していきます。
①価格設定について
私は企業クライアントのイラスト依頼に対し例えば「ラフ→線画→彩色」という工程で制作した場合、各工程ごとに最低でも2万円~を原則に価格設定しています。
これは修正や案件に伴う事務の時間(クライアントとの連絡等)を含めた時間コストとアフターサービスを含めた設定なのです。
しかし、こうした価格設定は個人のクライアントには当然高すぎます。
この問題の根底にあるのは「絵の価格」に対する意識だけではなく、求めるサービス、提供すべきサービス意識のズレという問題です。
絶対に損しない!クリエイターの金額交渉術と見積もりの計算方法
②求めるサービス、提供すべきサービスへの意識のズレについて
私の肌感覚に近い数字になりますが例えば非営利目的のキャラクターイラスト制作の場合
クライアントのニーズ
求めているサービス:完成した絵がほしい。
価格イメージ:2000~5000円。高くて10000円前後。
つまり多くの個人クライアントが求めていることは
完成品を「簡単でいいからさっと描いてくれる」こと
なのです。
ここで、イラストレーターにとって常識であるクライアントのニーズに沿うよう工程ごとにチェックを挟んで進めるというサービス認識とのズレが生まれます。
イラストの仕事の進め方!修正を減らす効率的な流れを解説します
③メッセージングはコスト
個人クライアントは、各工程での細かなチェックやそれにともなう長い制作期間を想定していない場合がほとんどです。
そのため、企業との取引と同じように工程ごとにチェックを挟む制作プランを提示すると「そんなに大変なの?」という印象を持たれることが多いです。
発注さええすれば描いてもらえると思っていたのに、やり取りの回数が増えるほど「じゃあいいや」となりやすいのかと思われます。
これが、個人クライアントにとってメッセージングはコストという問題です。
なので、提示価格でできる最低限のサービスをパッケージングして伝える等、クライアント側の交渉コストを下げることをお勧めします。
具体的には、
■イラスト制作サービス
- ラフ時点で1回確認してもらう
- 以降、完成までノンストップで一発納品〇〇円
- 「各工程で確認および修正対応」をオプションでつけると+○○円
といった形での提案です。
一発納品というと、職業イラストレーターからすればそんな提案をしていいのかと思うところですが、個人クライアント案件の場合は
【丁寧な確認よりも、クイック感】
【何度も連絡しなくていい気兼ねなさ】
がユーザビリティになることが多々あります。
手厚いサービスがない分クイックかつお手頃に進めるか、少し高くなっても丁寧に進めるか、両方提示して選んでいただきましょう。
そもそも個人クライアントの依頼を受けるべきなの?
大前提として私のようなゲームイラストレーターであれば、メインの取引はコンテンツ制作会社で、様々な案件に参加することが生存上不可欠です。
そのため、今後の仕事や技術向上につながりにくい個人クライアント案件にそこまで力を入れられないというもの事実です。
正直、そこまで考えて金額が安い個人クライアント案件をとること自体、コストじゃない?という意見もあるかもしれません。
しかし、SNSやイラスト投稿サイトなどに作品を掲載していると個人の方から問い合わせが来るということは起こります。
特に仕事量が安定しないフリーランスにとって個人クライアントの開拓、ファン作りといった意味でも無下に断り続けるのは得策ではないかもしれません。
なので、私は個人の方からの問い合わせに対し、以下2点に気をつけています。
一旦話を聞いてみる
SNSやサイトに個人の方から問い合わせが来たとき、まずはしっかりヒアリングしてみると良いかと思います。
特にWEBサービスを介した個人クライアントはビジネスに慣れていないことも多いので、まず相手がどんな人か、何をしてほしいのかを手短に聞いてみましょう。
その上で、案件への本気度や、支払い能力はありそうか等、基本的なことを判断します。
ここでお互いの案件遂行能力に関する情報を極力オープンにできた場合は、すぐに確約に至らない場合でも相手の選択肢に残る場合が多いのです。
こうしたクライアントさんには余裕があれば時々「その後いかがですかメール」を入れるなどして追跡しましょう。
仕事の伏線を増やす手段です。
請ける理由はあるか?
話を聞いた上で自分が仕事として請ける理由はあるのか否かを判断しましょう。
- 自分が描きたい(売り出したい)絵柄の依頼
- 作業量に対して金額が良い依頼
- 応援したいと思える人物からの依頼
など。
特に理由無く請け負ってしまったことにより、本来やりたかった案件の依頼を請けられなくなってしまう、なんてことも考えられます。
イラストレーターが『この仕事、請けなきゃよかった』と後悔しない受注の考え方
個人クライアントも開拓して販路拡大!
WEBやSNSの普及により個々人にもイラストを提供する機会が増えてきているように思います。
その際注意したいのが
- 価格設定
- 求めるサービス、提供すべきサービスへの意識のズレ
- メッセージングはコストである
ということで、自分に請ける理由があるかを考え受注するか否か判断すると良いでしょう。
上述した点を意識しつつココナラやSKIMAを活用すれば収益の柱を増やせる可能性があります。
無料で利用できますので是非チャレンジしてみてくださいね。
絵の仕事に繋げられる!実践していきたいイラストレーターの営業方法