絵の上手さを表すパラメーターとして「画力」という言い方をすることがあります。
一般的に画力が高いと絵が上手い、といった認識になるのかと思いますが、実は画力って3つの要素で成り立っているということをご存知でしょうか?
その3つの要素を総合して「画力」となるため、画力を向上させるためには、その3要素をそれぞれバランスよく鍛えていく必要があります。
ただ何となく絵の練習をするよりも、各要素を意識してそれぞれのレベルをあげていくよう鍛錬することが画力向上の近道となるわけです。
そして、その3つの要素はズバリ、
- 描写力
- 知識力
- 観察力
です。
それぞれの項目について詳しく解説しましょう。
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画力を形成する要素①:描写力
いわゆる、上手く描く力です。一般的に言われている「画力」の意味合いと同じかと思います。
画材(ペン、筆、ペンタブ、アプリケーション等)の扱い方やキレイな線を引く技術などがこの能力に依存します。
描写力を向上させるためには
とにかく描くこと。画材に慣れる事が第一歩でしょう。
線の引き方や円の描き方、色の塗り方など基礎的なトレーニングを継続することで“描くこと”に慣れてきます。
模写は描写力向上に適したトレーニングといえます。
好きな漫画やイラストを精巧に模写してみましょう。まだ描くことに慣れていないと感じているのであればトレーシングペーパーを使ってお手本の絵をトレースすることから始めるといいです。
模写に慣れてきたら、線の強弱や画面全体のバランスなども真似られるよう描いてみてください。
お手本の絵を描いた作家さんの描写を追体験するつもりで細かく真似てみる。
これを繰り返すことで描写力は格段にレベルアップできるはずです。
画力を形成する要素②:知識力
例えば、鎧を装備した騎士の絵を描く上で、鎧を鎧っぽく見せる描き方を熟知しているかどうか。その知識量を言います。
絵が上手い人って意外と物知りです。特に自分が好きなジャンルについて、とても詳しかったりします。
といったように詳しく説明できるのは、描く対象についてよく調べて、どういうふうに描けば見た人がそれを認識できるかという知識に長けているからです。
表現する上で知識を蓄えることは重要です。
知識力を高めるためには
常にアンテナを張って、目の前にある物を描くために気をつけるポイントを探せるよう意識付けましょう。
そして取り入れた知識(インプット)はできるだけ実際に描いてみる(アウトプット)ことで、より身につきます。
知識が積み重なり、蓄積されることで、描けるモノの範囲を広げることができるでしょう。
知ってるだけで絵が上手くなる豆知識をまとめた記事もありますので良かったらご覧ください!
人物をサラサラッと描けちゃう人は、描写力はもちろん人物を描く上で必要な知識が豊富である、ということなのです。
骨や筋肉の繋がり、関係性などがある程度頭に入っていて、あらゆる角度での見え方を知っているのでサラッと描けちゃうんですね
画力を形成する要素③:観察力
知識を得るためには観察しなくてはなりません。
どう描いたら木の質感を表現できるのか?と疑問に思えば、実際に(または写真で)木をよく見て研究する必要があります。
その際、絵に落とし込むポイントを見つける力がこの観察力と言えるでしょう。
観察力を高めるには
上の例で言えば、木をよく研究した上で漫画やアニメ、絵画のプロたちがどういうふうに木を描いているのか注視してみてください。そうすることで
- 木を表現するために、こういう色を使うんだ
- ゴツゴツ感を演出するためにこういう描き方をするんだ
- 幹の皮が剥がれた感じはこう描くんだ
などなど、「木」を絵に落とし込んで誰が見ても「木」だと認識されるためのポイントが見えてくるはずです。
と思われるかもしれませんが、実物を研究しておかないと“なぜプロはそういう表現をしたのか”という部分が見えづらくなってしまいます。
また、そのプロが描いた木しか描けなくなってしまいます。
実物→プロの絵 という順序で観察するのは、プロが実物をどのようにデフォルメしているかということを考えるためです。実物を知らなければデフォルメも出来ません。
まとめ
「画力」とは3つの要素からなる総合力で、その各要素とは
- 描写力
- 知識力
- 観察力
である。それぞれの要素をバランスよく鍛えることが画力向上への近道となる。
というお話でした。
お役に立てたら幸いです。