僕はモンスターやクリーチャーのデザインを見るのが好きなんです。
子ども頃は、ゲーム自体は持ってなくとも、そのゲームの攻略本を買ってモンスター紹介ページを眺めてはニマニマしたものです。
で、Amazonをフラフラしてたらこんな本を見つけました。
30名の才能あふれるアーティストたちが、神話や伝説に登場する数々のモンスター・クリーチャーたちを どのように描くかを披露します。(中略)アーティストたちがどのようにデザインして、イラストを完成させていくかを紹介します。本書は、デザイナー、イラストレーター、コンセプトアーティスト、ファンタジー愛好家など、謎めいた世界を旅するさまざまな冒険者たちへのアンソロジーです。
モンスターやクリーチャーの描き方を30名のアーティストが手順にそって解説してくれるそうです。
メッチャ楽しそうなので早速入手しました。
モンスターデザインのプロセスが学べる
空想上のモンスターをどのようにデザインしていくか、どうしたら説得力のあるデザインとなるか、を30体のモンスターを通して学べます。
モンスターのデザインを見てるだけでニマニマできる僕は眺めてるだけでも楽しいです。
でも読んだだけで終わるのは勿体無い!
どうせならデザインプロセスを学ぶためにも実際に僕もオリジナルモンスターを描いてみようと思います!
テーマを決める
まずはどんなモンスターを描くか決めましょう。
仕事で請け負う場合はテキストで描いてほしいモンスターの特長なんかが指示される事がおおいですね。
今回はとりあえずミノタウロスを描いてみようと思います。
なぜなら今、牛が描きたいなとフワッと思いついたからです。
ギリシア神話に登場する牛頭人身の怪物である。クレータ島のミーノース王の妻パーシパエーの子。長母音を省略してミノタウロスとも表記される。
ミノタウロスとは頭が牛の怪物です。
画像検索するとこんな感じで出てきますね。
イメージ膨らみますね!
「世界のモンスター・幻獣を描く」で学んだことを生かしてオリジナルのミノタウロスを描いていきますよ!
参考資料を集めよう
作画に入る前の準備として、資料を集めておきましょう。
今回は半分牛の怪物を描くわけですから牛の画像を漁ります。
とりあえず「牛」でググってみる。
やだ、可愛い・・・。
でもイメージしてるのは屈強な牛男なので、もう少し違う角度から検索してみます。
「バイソン」で検索。いいね!割ともこもこしてる。
「バッファロー」で検索。かなりイメージに近い!
といった具合で絵ではなく生の資料を探してみましょう。
また、牛の角、や牛の毛などパーツ毎に検索し、研究するようにしてください。
この地味な作業とインプットが絵に説得力を持たせます。
資料の調査は【保存版】絵を描く上で資料集めに使える厳選14サイトとお勧め資料本という記事にまとめましたのでご活用下さい!
なんか鎧着せて斧持たせたいなぁとか思いついたら、鎧や斧の資料も合わせて調べておきます。
描くオブジェクトはそれぞれ個別に資料を用意して臨みましょう。
資料を探す上で一番良いのはやっぱり実物を見て触ってみること。
でもなかなか難しいですよね。(バッファローとか斧とか・・・)
そこでネット検索を駆使するわけですが、例えば「バッファロー」と検索したときと「Buffalo」と検索したときで微妙に結果が違ったりします。
「斧」なのか「アックス」なのかあらゆる角度から検索してみましょう。
馬が後ろ足で立ち上がったポーズを検索したいとき何て検索しますか?
イラストの参考のため、馬が後ろ足で立ち上がった姿の画像を見たくて[馬 立ち姿]で検索しても4本足で凛々しく立ってる馬しか出てこなかったので、[馬 ヒヒーン]で検索したらうまくいきました。 pic.twitter.com/fNPoMycAq5
— 橋本ナオキ / 会社員でぶどり5 4/15発売 (@Abhachi_Graphic) August 22, 2017
検索力、意外とバカにできないスキルです!
イメージスケッチ
資料を検索している間に徐々にイメージが膨らんでいくと思います。
ぼんやり浮かんできたイメージをスケッチしていきます。
また、参考となる牛の画像もスケッチしてみると気づくことも多いです。
こんな感じ。鼻とか耳とか角とか部分的にスケッチしておくと、デザインに生きてきます!
サムネイル作業
なんとなくデザインのイメージが固まってきたらサムネイル作業に入りましょう。
具体的には小さくラフを描いていく作業です。こんな感じ↓
ここでざっくりとしたキャラクターのポーズや構図を決めていきます。
どういうポーズをとらせたらしっくりくるかを探していくのです。
コツは2つあります。
①キャラクターの性格を決める
性格が決まればポージングもだいたい決まってきます。
実は恥ずかしがりやで恐がりなミノタウロスと、獰猛なミノタウロスでは足の開き方や顔の表情など全然変わってくるはずです。
このキャラクターはどんな奴なのかを妄想しつつポーズを描いてみましょう。
②魅せたい箇所を考える
何を一番描きたいかを決めるのもポージングを決める手がかりとなります。
例えば武器の斧が重要なアイテムなのであれば斧をよく見せるポーズを考えなくてはいけませんよね。
また、牛の顔を大きく描きたいのであればどういうポーズならそう描けるか、など考えられますね。
サムネイルはラフのラフなので、サラサラッとリズムよく描いていきましょう。
いくつかパターンを出していくうちにコレだ!というデザインに巡り合うはずです。
サムネイルの比率は実際に描くサイズの比率に合わせましょう。
制作
サムネイルを描いて、この構図だ!というのが決められたらいよいよ描いていきましょう!
まずはざっくりラフ制作に入ります。
僕のラフはこんな感じです。
斧を振りかぶった長毛の牛男です。
アメリカンバイソンとか見てると背中がコブのように隆起していたのでそれを反映させてみました。
そしてこちらが完成版。
ぐしゃぐしゃと汚く垂れ下がってる毛を表現してみました。
うーん。もっと顎あげてた方がダイナミックな感じにできたなぁ。。サムネイル・ラフ時点でミスってましたね。
描いてるところを動画で撮ろうと思ったのですが、うっかりミスって撮れませんでした。。無念。。
30人のアーティストのデザインプロセスが学べる!
とまあ、僕の牛男のクオリティは置いといて、この「世界のモンスター・幻獣を描く」という本では30人のアーティストの高品質なモンスターデザインを堪能できます!
さらにそれぞれのアーティストのデザインプロセスを学ぶことができるのでとても勉強になります。
今回僕がチャレンジしたミノタウロスのデザインもハイクオリティで掲載されてます。
モンスターを描きたい、と思ってる方にお勧めの一冊です。
最後にお決まりの中身パラパラ動画を載せておくので参考にしてください。