イラスト上達法

アナログイラストレーションの制作工程をザ・チョイス入選イラストレーターが解説します!

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牧角春那
2020年よりフリーのイラストレーターとして活動しています。 主にアクリル絵の具で描いています。ゆるく優しい雰囲気の絵が得意です。 「ザ・チョイス」で第218回入選、第219回準入選。
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初めまして。イラストレーターの牧角春那( @harunamakisumi )です。

主にアクリル絵の具を使ってイラストレーションを描いています。

この記事では、私なりの描き方で作品のクオリティを上げるためにやっていることや気付いたことを制作工程とともに解説させていただきます。

イラストレーションの描き方は人ぞれぞれであり、決まった描き方は無いです。でも

▶描いてみたいけど、どう描いたら良いのかわからない
▶描いても描いてもなんだか上手くいかない
▶自分の作品には何かが足りない

…と悩んでる人のヒントになれれば嬉しいです。

大まかな工程はこちら!

    1. エスキースを描く
      …構図、陰影のバランスを考える
    2. 下描きを描く
      …線と形を整える
    3. 色彩計画を立てる
      …色のバランスを考える
    4. 本番
      …実際描いてみるとわかることもある

順番に解説していきます。

 

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①エスキースを描く

いきなり描き始めてしまうと上手くいかないことが多いです。

まずは、描きたいイメージをざっくりと形にするエスキース(サムネイル・ラフスケッチ)の作業をしましょう。

構図を考えたり陰影のバランスを取る大事な工程です。

私の場合ここでは、特に何か資料を見たりすることもなく、ほとんど想像で描いています。

ここでのポイントは小さく描くこと。小さく描くことのメリットは

・全体の構図のバランスが取りやすい
・陰影のバランスも見やすい
・時間がかからない

です。

最初から大きく描いてしまうと、全体のバランスを見るために、わざわざ立ち上がったりして絵から離れなきゃいけないですよね。

小さく描くことで、座ったまま俯瞰で全体のバランスも見れるし、直すのも簡単なのでオススメです。

 

②下描きを描く

下描きを描く作業です。

エスキースを元に新しい紙に描き直すのですが、エスキースで描いた構図のバランスを崩したくないので、まず小さく描いたエスキースをコピー機で拡大します。

今回のエスキースは5×6cmくらいです。

大体200~300%の間で適当に何枚か拡大して、ちょうど良さそうな大きさを選びました。

ここでの大きさ選びも結構重要です。

絵として見栄えが良いこと、尚且つ自分が描きやすい大きさを選びます。

コピーできたら、それをトレス台で写しながら線を整えていきます。

デジタルで描かれる人は、エスキースをスキャンして取り込んで制作ツール内で適当なサイズに拡大してください。その上に新規レイヤーを置き、トレースしていくと効率的です。

この時に、実物の写真なども資料にしながらおかしなところがないか確認していきます。

この作業は意外と大事です。

例えば、エスキースの段階で考えていた部屋の影の部分。

なんとなく畳の格子に影ができたら面白そうと思って描きましたが、障子の魅力って光を優しく通すことだよなと途中で頭をよぎりました。

そしてすぐに畳の部屋の写真を沢山探しました。

案の定、障子の格子状に影ができることは現実ではあり得ないことが分かりました。

しかし単純にそれを無くしてしまうだけだと寂しいと思ったので、奥に少し隙間を作って光が細く差し込む設定に変更しています。

他に今回、写真などで確認したことは

・和室の畳の組み方
・畳の縁の模様はどんな感じか
・障子の形はおかしくないか
・部屋と縁側との関係
・蚊取り線香は室内においても大丈夫なのか

などなど…。気になることは調べておきます。

インターネットで検索すれば全て出てくるのでとっても便利です。

これらを自分の想像だけで描いてしまうと、どうしてもどこか違和感のある画面に仕上がってしまうと思います。

絵の中は自由ですが、自分の意図しないおかしなところは、なるべく少なくなるようにすると、一番見せたい部分がスッと見える世界が描けるのではないかと思っています。


 

③色彩計画を立てる

下描きができたら、本番の前に色彩計画を立てます。

私の場合、アナログで描いているので大きな失敗をすると最初からやり直しになってしまいます。

そのため、あらかじめデジタルで大まかに色を決める作業を入れています。(ipadアプリのプロクリエイトを使っています。)

本番の色と全く同じ色にする必要はありません。

色の組み合わせなどで作品全体の印象を決めるための作業なので割とざっくりやっています。

全てデジタルで作画する場合も、事前に色のラフ画を描いて色彩計画をしておくと絵の完成度も上がりますし、悩まずに彩色できるのでオススメです!

 

④本番

いよいよ本番です。色彩計画で描いたものをを手元に置きながら、絵の具で描いていきます。

そして失敗します。

アナログ作画の場合、なかなか1発で描けることは少ないです。

描きながら変なところに気づいて②や③に戻ることもあります。

でも、とりあえず描いてみないとわからないことも多いので、臆せず描いてみることをオススメします。

私は失敗することを前提に比較的安価な画用紙を使っていたりもします。(もちろん描き味が気に入っているというのが一番ですが。)

自分が失敗しやすい部分などもわかってくるので、できるだけ苦手な部分から描き始めるようにすると、時間をかけて描いたのに途中で失敗するということも減らせます。

失敗を生かして、自分が失敗しやすい部分から描いていきます。

そこをクリアすれば、あとは集中して描くのみです!

私は広い面を同じ色で均一に塗るのが苦手なので、まずはその部分から描くことが多いです。

最後まで自分の満足いくように描ければ完成です。

 

イラストの制作工程は多種多様

今回はアナログでイラストレーションを制作している私の制作工程を解説いたしました。

でも制作工程は人によって全然違います。

自分に合った進め方を模索するのも楽しみのひとつだと思いますので、たくさん失敗してチャレンジしてほしいです!

 

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