はじめまして、イラストレーターの伊丹キリコです!
- 絵を描く仕事をしたい
- フリーランスみたいに不安定ではなく安定した生活がしたい
そんなあなたにオススメなのが「企業のインハウスデザイナー・イラストレーター」という職業です。
つまり、会社員としてイラスト制作の仕事をするってこと。
毎月一定のお給料をもらい、各種保険も完備!会社によっては福利厚生も充実してたり。
私はソーシャルゲームを開発する会社で会社員としてイラストレーターをしていましたので、その内情をこっそり書いていきたいと思います。
私が勤めていたソシャゲ会社はこんな感じ
自社でアプリゲームを制作・運営している会社だったので、キャラクター、アイテム、アニメーション、UIなどにいたるまでの様々な素材をプロジェクトごとのデザイナーがマルチに制作します。
大きな会社ではUIデザイナー・キャラクターデザイナー・アニメーターがいたり、工程ごとに専門のデザイナーがいたりしますが、弊社は中小企業なのでそんなリッチなデザイナーの使い方はできません。
プロジェクトの上司からこれをやってくださいと仕事が降ってくるので仕様書をもとに粛々と自分の作業を進めます。サラリーマンです。
ソシャゲ会社の勤務時間について
雇用形態はさまざまですが、私の勤務時間はだいたいは9時~18時でした。
フレックス制や裁量労働制というもう少し自由度の高い勤務もあります。
残業の有無は会社によって異なりますが、クリエイターという業種は往々にして多い傾向にあるようです。
ちなみに私は定時でさっさと帰ってました。
仕事の進め方
だいたい一か月前に次の月の仕事が割り振られます。
割り振られた仕事はガントチャートで視覚化されます。こんな感じ↓
wikiより
例えば9月1日~3日はこのキャラ、4日~6日はアイテム、という風に仕事の流れが一目でわかるような表になっているわけですね。
これでひと月から一週間の仕事の流れを見ながら毎日出勤してその日にやるべき仕事を確認して作業に入ります。
他メンバーの進捗も同時に分かるので、たとえばお子さんの看病でお休みされた方がいたりしたら余裕のある人がフォローしたりします。
プロジェクト全体でリリースに間に合えば問題ありません。
割り振り式なのであまり仕事を選ぶ余地はありませんが、
どうしても苦手な作業があれば上司に相談できたりもします。
プロジェクト内で制作が完了すればOKなので得意・不得意もある程度考慮してもらえるでしょう。
基本的に一つの制作物を納品まで全行程やることになりますが、
制作は一気に進めるのではなく、ある程度区切りがあります。
工程が終わるごとにレビュー(確認)と修正が入ります。
全体の流れはこのような感じです。
- 仕様書を見て大まかにラフを描く
レビュー後、修正しOKなら次の工程へ - ラフを元にカラーラフを作成
一度フレームに入れて見え方を確認。レビュー後、修正しOKなら次の工程へ - カラーラフから線画を作成
カラーラフから大幅に変更のないように制作。レビュー後、修正しOKなら次の工程へ - 着色
レビュー後、修正しOKなら次の工程へ - 納品
レビューはアートディレクターだけが見て赤入れする会社もあれば、チームのデザイナー全員で確認する会社もあります。
私の所属していたプロジェクトは全員でわいわい見ながら相談するような感じでした。
チェックポイントはいくつかありますが、以下のような感じです。
- 大きなパース崩れや間違いがないか
- 既存キャラの場合は顔や体型に大きな違いがないか
- 新規キャラ/武器の場合はボリュームがレアリティ相応か
- 仕様書に沿った制作物になっているか
- 近い時期のものとデザイン被りがないか
- もっと魅力的な見せ方がないか
原則として、納期に間に合わなくなってしまいそうな修正依頼はNGです。
なので、カラーラフ以降の大きなポーズ変更やデザイン変更は基本的にありません。
これは会社の方針にもよるかもしれませんが、納期に間に合わないからクオリティを妥協することはあっても、クオリティのために納期を伸ばすということはしませんでした。
あくまで商品として出せるラインになればOKです。
制作物に対して社内のベテランデザイナーさんにアドバイスがもらえるので自分でもビックリするほど上達することができます。
書き出しと納品は一番大事な作業!
キャラや装備の作画が終わったら、次は書き出しです。
カードフレームに入れてjpgやpngに書き出したり、色やデザイン差分、サイズ違いを作ったりとゲームに組み込むために素材化していきます。
最終的に世に出るのはこの素材たちなので、これらの処理が非常~~に重要です。
減色という容量を軽くするための作業なんかもあるのですが上手くいかないと描いた絵が台無しになったりするのでこれも油断できない作業でもあります。
たいてい仕様書などに書き出しサイズや形式は載ってあるので、きっちりかっちりそのとおり書き出していきます。
新規で作る素材の場合は開発の方と打ち合わせしながら進めます。
間違っていたらあとで各方面に迷惑がかかるので、慎重に!
すべてが完了したら、納品メールを送って終了です。
整理した元データを会社のHDDなどに保存するのも忘れずに。
会社員のイラストレーター・デザイナーとして評価されるためには?
会社員のデザイナーに特に求められることは
- 毎日きちんと出勤する
- 納期やルールを確実に守る
- 納品物に間違いがない
この3点に尽きると思います。
会社である以上、評価基準はあくまで「会社員として」です。
どんなに絵が上手くても勤怠が悪かったりミスが多いと評価が低く、きっちりと仕事をこなす人にどんどん差をつけられます。
クリエイターである以上、どこまでもクオリティを追求したい!
という気持ちもとてもよく分かりますが、会社はまず利益ありき。
自分の気持ちと効率でうまく折り合いをつけていくのが鍵となります。
あとは会社勤めなので、会社の人間関係はけっこう大事です。
クリエイターと聞くとある程度一人で仕事が完結しそうなものですが、誰かと一緒に仕事を進めていく機会は意外なほど多いです!
上司やディレクターと打ち合わせをしたり、顔を合わせたら笑顔で挨拶するくらいのコミュニケーション能力は必要になってきます。
ソーシャル会社のデザイン・イラスト関連のお仕事、少しはイメージがつきましたでしょうか?
社会人としてのビジネスマナー、スケジュール管理なども身につくので、将来的に独立したいと考えてる方も一度勤めてみるのもいいでしょう。
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