イラストレーターで、正直食べていけるのか、稼ぎは月にいくらくらいなのか、業界を目指す人はとても気になりますよね。
現在フリーのイラストレーターとして12年、5000件以上の仕事をしてみて分かったこと、それは稼げるイラストレーターさんには主に以下の3つの条件があるということ。
- デザイン会社に就職して雇用されてデザイン、イラストを描く
- 自分で会社を興す(あるいは個人事業主になる)
- 副業しながらイラストの受注を受ける、フリーランスになる
②と③はかぶるところもありますが、法人化してBtoBを主に請け負うか、あくまでBtoCも柔軟に対応するか、によって仕事のパイが変わってきます。
これ以外に、専業主婦として絵は趣味だったけど、コンテストなどに応募し、作家デビューをした、あるいは学生の時に公募で受賞してそのままデビューした、なんてのもあると思いますが、一攫千金の要素が強いため、
という人はどうすれば良いか、という道筋について解説していきたしと思います。
デザイン会社に就職して雇用されてデザイン、イラストを描く
これは通常の就活と同じように、求人情報を収集し、電話なりメール等で求人に対してアプローチを行い、ポートフォリオや履歴書を見てもらって雇用してもらう方法です。
会社に属しながらも、その仕事はあくまでイラストレーターとしての実務ですので、将来的にフリーでやっていくにしても実績を積めるのがメリットです。
デメリットは必ず就職できるわけではない事、就職後の就業内容には差があり、労働条件が良い会社はハードルが高く、低い会社は就職は簡単でも仕事内容や環境が決して良いとは言えない会社が多いなど、ピンからキリまでです。
ただ、転職することでキャリアに傷がつくとか、世間体を気にすることはない業界ですので、良い会社・悪い会社どちらで勤めようとも結果経験が増える事には違いなく、ポジティブに物事を捉える事さえできればキャリアを積みながら収入が得られるイラストレーターへの一番の近道でしょう。
イラストだけ描いていれば良い会社というのは無く、「WEB」「CAD」「印刷物の知識」があれば尚可、みたいな求人が多いです。
要するに「イラスト+〇〇」みたいな強みがあるほうが就職しやすいと言えます。
それによって収入に差があり、IllustratorやPhotoshopは使えるけど、それ以外はあまり・・・という付加価値が少ない場合は月にして10~15万、ゲームやWEB系の付加価値を持っていれば20万円以上、というのが相場と考えておく必要があります。
大企業に就職するか、かなり高い付加価値スキルが無ければ一般職よりやはり金額は低いと言わざるを得ません。
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自分で会社を興す(あるいは個人事業主になる)
法人化してBtoBへの受注をメインにする場合、コンペに勝って、大手の商品パッケージを請け負うとか、中小企業のパンフレット全体を請け負うなど、パイの大きい仕事を手に入れるやり方です。
これには戦略的に受注していく知識とツテ、営業センスなども必要です。
小さい企業や店舗のチラシやパンフレットなどの実績をコツコツ積み上げていくことが肝心です。
メリットは、一度に受注する仕事が大きいのでまとまった金額が入ってくること。数十万~数百万の仕事を請け負うことで広い視野と大きなやりがいが出来ます。
デメリットは企業から受注を手に入れるためにはそれなりの大きい金額を支払うリスクを解消できる信頼が不可欠です。それが無ければ受注そのものが困難です。
あなたが会社を立ち上げたとしても十分な実績が無い場合、それを上回る技術なり個人としてのスキルの高さ、あるいは最初は金額を下げて仕事を受け、信頼を積み上げてから金額を上げてもらえるように交渉するなど頭を使わなければなりません。
企業によってはこちらがまだ実績が無い事や十分な人材が無いことに足元を見て、安く困難な仕事をさせようと画策する場合もあります。
そのような駆け引きはフリーでも同じですので、どのように自分に有利な交渉を行うか、線引きが非常に難しいです。
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企業や店舗の仕事を手に入れるアプローチの仕方
全くツテが無い状態で法人化しても仕事は無いので、まずはフリーとして実績をつけ、何社かつながりが出来たところで
「この度会社を立ち上げ、デザイン全般も手掛けることが出来るようになりました。もし宜しければ新しいデザインについてご説明、ご提案させていただけませんか」
と、担当者につないでもらえるよう準備しておく、というのも良いと思います。
副業しながらイラストの受注を受ける、フリーランスになる
①と②の中間である個人フリーランスは「イラストレーターになる」という手段としてはハードルは低いと思います。
専門学校を出たけど就職が上手く行かない、社会人経験をしたけどクリエイティブ業に挑戦したい、など今すぐ①にも②にもなれない場合、③から始めるのは賢明なことだと思います。
副業はどんなものが良いのか
例えば月に20万の収入を目指す場合、最初はアルバイトだけで働き、休みの日に企業へのコンペに出す作品を作る。
平日にアポを取ってアルバイトの休みを平日に利用して打ち合わせに行き、少しずつイラストの仕事を増やし、アルバイトで10万、イラストで10万にすること。
さらにその割合をイラストの方が多くなるようにしていく、というやり方があります。
副業はイラストに関係ない、かつ時間に余裕のあるアルバイト、契約社員、パートなどなんでも良いと思います。
急な打ち合わせに対応できる自由度の高い副業(サービス業や日雇いなど)は労働環境や雇用契約にそんなに希望は持てません。
賃金が低いなどのデメリットはあると思いますが、多少の貯金や、短い期間イラストレーターとしての実績を積むまでの間に行うと決めておく、など計画的であれば逆にそのような副業を利用してステップアップする、というメリットがあります。
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イラストレーター=リスク、にしない
イラストレーターになることそのものを「リスク」にしてしまっては、せっかくイラストを描きたいというプラスの感情も、挑戦心も無駄になります。
生活に困窮していては良い仕事はできませんし、副業によって最低限の収入を安定させ、早くイラストレーターとしての仕事で一本立ちできるよう努力するモチベーションにもつながります。
など具体的な目標を決めましょう。もし、割りの良いアルバイトが見つかれば、貯金をしながらイラストレーターとして仕事を行うこともできると思います。
今はクラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングを通してネットで仕事が受注できるほか、ビジネス交流会などに積極的に参加し、チラシやパンフレットを一括で請け負えることなど企業や店舗が抱えている課題に細やかに対応できるフリーランスの特性をアピールしてまずは1回試しにやらせてほしい、など地道なアプローチで着実に実績をつんでいくことが重要です
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まとめ
イラストレーターの仕事は、はためから見るとどこから仕事が発生しているのか、収入がどこから来ているのか明確ではありません。
ただ、実際イラストやデザインを必要としている企業や店舗は多いのは事実です。そこに自分のイラストが使われれば仕事になります。
問題はどうやって仕事につなげるのか。
企業や店舗は「お金を支払ってもちゃんとしたものを提供してくれるところから購入したい(依頼したい)」と考えています。
小さい店舗であれば数千円~数万円。企業であれば数十万~数百万と、予算は変わってきます。
「イラストレーターになったらいくらもらえるのか」
ではなく、
「イラストやデザインでこれぐらいの収入を得たいから、実績をつけよう」
「ツテが欲しいからそのために一回就職しよう」
「飛び込みで電話をかけてみよう」
と、目的によって戦略を立てれば良いのです。是非実践してみてください。