イラストレーターは、サイトに料金表を載せた方がいいでしょうか?載せない方がいいでしょうか?
はじめまして、おなかがすく料理イラストレーターの月音(つくね)京子です。(ホームページ )
イラストレーターとしてはキャリアが20年あり、書籍、雑誌、幼稚園バス、メニューなど料理イラストを中心に様々な仕事をしてきました。
また、好きなことを続けたい方に「引き寄せの法則」を伝える講師という顔も持っています。
「イラスト料金表」と検索すると、2021年6月現在ではつくねのサイトの料金表ページがグーグルで17位に出てきます。
どうも、料金表を載せているイラストサイトはそこまで多くないようです。
私はもう10年以上、料金表をサイトに載せています。
この記事ではイラストの料金表をホームページに掲載するメリット・デメリットや料金表の作り方についてご紹介いたします。
・ホームページに料金表を載せようか載せないか迷ってる…
・イラストレーターの料金表の作り方を知りたい…
と言う方の参考になるかと思います。
イラストの料金表を載せるメリット
クライアントが料金表を見た上で制作依頼してくれる
つくねはインスタやツイッター経由の方にも、DMでなくホームページのフォームからご依頼頂くことをお願いしています。
なので、お客様は「制作の流れ、料金表」にざっと目を通すことになります。
そのうえでご依頼いただける方は金額感が大きくずれていることはありません。
相場よりかなり安い価格で打診してくるクライアントとの交渉を省くことができるので余計なコミュニケーションコストを下げられます。
クライアントに安心感を与えられる
値段が書いてないお寿司屋さんに入ると、とても不安になりますよね。恐い…。
まぐろが〇円、エビが〇円と記載されていたら安心して頼みやすいです。
イラストも同じで、事前にカットが〇円、似顔絵は〇円、と記載されていた方が安心して頼めます。
料金表は、依頼時にクライアントのストレスを軽減してあげる工夫であるとも言えます。
料金の見積もりを依頼された時に、自分が楽
クライアントからイラストの見積もりを頼まれた際、料金表に基づいて見積もれます。
基準が決まっているので、自分が楽です。
料金表は、時代をみて、ときどきアップデートするといいですね。
「イラスト 料金表」で検索する人が意外と多い
イラスト関係で検索されているキーワードの中で「イラスト 料金表」というキーワードは月間でおよそ400弱ほどあります。
イラスト料金表のページを作ったらそのページタイトルに「イラスト料金表」という文字を入れておきましょう。
そうすると、サイトが検索される可能性が高まります。
※同業が検索している可能性もややあり
イラストの料金表を載せるデメリット
では、料金表を載せることにどんなデメリットがあるのでしょうか?
いいかえると、料金表を載せないことによるメリットですね。
料金表を見て頼まれない可能性がある
はっきりと金額感を提示することで、最初から候補を外される可能性もあります。
でもこれはメリットで上げたコミュニケーションコスト削減の足切りが機能した結果とも言えます。
どんなに安くてもイラストの仕事がしたい!というなら相場より安い金額で提示すると良いかと思いますが、あまりオススメしません…。
損をする可能性がある
業種や媒体によって持っている予算はピンキリです。
料金表で金額を明示しておくことで、損をすることもありえます。例えば…
みたいなことが起こるわけです…。
一応「あくまで目安です 内容によって変わります」
という旨は書いておきましょう。
イラストレーターの料金表の作り方
私は以上のメリット・デメリットを鑑みて料金表を掲載しようと判断しました。
やはり依頼する相手の立場に立って仕事をしたいと思ったからです。
ここまで読んで、同じように料金表を掲載したいと考えた方のために作り方を提案します。
まずは、これがいい!と思うプロのイラストレーターさんの料金表を見つけてコピペしてしまいましょう!
同業者の料金表をひな型に使います。
もちろん、コピペしたそのままではNGなので、そこから金額やメニューなど、細かいところをカスタマイズしていきます。
イラストの仕事は多種多様で、なかなか1枚いくらと設定しづらいものです。
依頼内容によっては料金表に掲載した金額では割に合わないと感じるかもしれません。
そんな時は堂々と金額交渉しましょう!
料金表はあくまでも目安なので金額交渉してはいけない理由にはなりません。
イラストレーターとして稼げるか?稼げないか?この境目は、金額交渉ができるどうかだと思っています。
イラスト料金相場の参考例
値段に不満なままイラストをかくとその不満な感じが、しっかりイラストに乗ります。
そういう経験があるので
「このくらい安い値段にすれば、仕事を獲りやすいだろうな」
という金額設定にしてしまうと、制作のモチベーションが上がらなくなります。
なのでクライアントのためにも安売りはやめることにしました。
料金表には、自分が気持ちよく制作できる以上の金額を書きましょう。(イラストレーター自身の技術の改善、制作時間の短縮も大事ですね。)
でもどのくらいの金額に設定したらいいか分からない…という方のために料金表に記載する金額の参考になるサイトを紹介します。
日本イラストレーター協会の料金表
・日本イラストレーター協会
「イラストの料金と著作権に関して」
つくねも2020年~2021年現在はこちらの協会に在籍しています。多くのイラストレーターを調査して作られた料金表の相場です。
クラウドソーシング会社の募集相場
・クラウドワークス
・ランサーズ
・ココナラ
こういうサイトでも、大体の相場がはかれます。
ただこういったサービスは価格破壊も起きているといいますので、何割か上乗せした金額が正規相場だと考えた方が良いです。手数料にも配慮ください。
イラストレーター生存戦略
こちらの記事にイラストの仕事の種類と相場、獲得方法なんかについてまとめられています。
おおよその目安に。
相場ではなく時給で考える金額感
プロでやっていくのであれば時給2000円~3000円以上くらいで考えると良いでしょう。
時給には制作時間だけではなくメールや、ラフのやりとり、営業の時間も考慮してください。(イラストレーターの仕事は制作だけじゃないので!)
過去の料金交渉でイラスト料金4800円、デザイン込みで6000円という料金提示がありました。
「そのデザインが指示が細かく私の力だと2時間くらいかかってしまうんです。それだと、デザイン料の差額1200円がわりに合わないので、イラストのみにしてください。」
と料金交渉してOKをいただいたことがあります。
イラスト自体が10分~60分(修正込み)で描けるものでラフ・メールのやりとりが1時間くらいです。
すると時給2400円~3200円です。いいですね。
デザイン込みだと+2時間かかるので時給1500円~1894円となります。
とはいえ、早く描けるように、入稿できるようには心がけましょう。
また、「引き寄せの法則」によると自分で自分を「時給1000円の人間」と思えばそういうお金の流れになるし、「時給3000円の人間」と思えばそういうお金の流れになります。
ここでは、そんなものかと聞き流してくださいね。
参考>
絶対に損しない!クリエイターの金額交渉術と見積もりの計算方法
実績が無いと一般的な相場で請け負いづらいと考える方もいらっしゃるでしょう。
その場合は安い金額で設定しても良いと思います。でもちゃんと実績ができたら堂々とプロの相場で提示しましょう!
「プロ」とは何か?という問いには答えはありませんが、つくねは「プロ意識がある人」をプロだと思っています。
そして、プロのクライアントはプロのイラストレーターを求めています。
プロのクライアントと取引したいなら相場、またはそれ以上の料金表をのせることで「プロ意識」を見せることができます。
アマチュアの料金表にはアマチュアのクライアントが集客されます…。
イラストの著作権譲渡や二次使用料について
料金表を掲載するなら、著作権譲渡や買取についての記載もあると親切です。
著作権譲渡について先ほどの日本イラストレーター協会の記事を参考にさせていただくと
通常、日本イラストレーター協会では著作権譲渡の場合は、一次使用の2倍から3倍程度の料金設定にしていますが、その後に使用する可能性のある媒体をできる限り聞き出してから決めるようにしています。
とされています。
また二次使用料などについても制作費の7割~で設定されているようです。
著作権譲渡や二次使用料については以下の記事をご参照ください。
知らなきゃ損!イラストの二次使用料とは?著作権譲渡する際の注意点など詳しく解説!
料金表はイラストレーターの親切心
イラストレーターのお仕事を取るためにはどれだけクライアントのことを考えられているかが鍵になると考えています。
つくねがヒアリングしたクライアントのほぼ全員が
「料金表があるといい」
と言っていました。
またイラストの価格設定、料金というのは生活に直結します。
生活費を稼がなくていいイラストレーターなら仕事を取りやすいものでいいですし、生活費をイラストで稼ぐなら相場の高いイラストを中心に営業するといいですね。
あなたのイラストレーターライフがもっと質が上がって豊かなものになりますように!