初めまして。ねこのこねこのこ( @neko2noko )と申します。
現在、フリーランスのイラストレーターとして活動しており、個人様・企業様を問わず、ゲーム関係のグラフィックを中心にご依頼を承っております。
フリーランスで活動をしていると、当然ですが所属している会社などがないため、契約を保護して貰うことができません。なので
- イラストを納品したのに、支払いをして貰えない
- 取引の最中に、突然相手との連絡が取れなくなった
- 前払いをお願いしたいけれど、先方から不信感を抱かれそうで言い出せない
こんなトラブルや悩みを抱えがちです。
こういった問題を解決するために私は契約書を活用するようになりました!
この記事では、契約書を結ぶことでどれだけのメリットがあるのかを解説し、後半では私が使い倒している簡単便利な電子契約書サービスについて紹介したいと思います。
契約書の重要性!フリーランスで安全に活動するために
契約書を交わしておけば、事前に支払い方法や期日を定められます。
また、折返しの連絡がなかった場合の対処についてなど、予め取り決めておけばトラブルを未然に防ぐことができます。
そして、信頼性が増し、前払いなどの支払い方法についても相談がしやすくなるんです!
① イラスト制作における契約書ってどんなもの?
イラストレーターにとっての契約書とは、主に業務委託に関する契約書となります。
クライアントの希望するイラストや、その仕様によって契約内容は異なりますが、私が最低限決めているのは以下の3点です。
- 業務範囲
イラストの仕様・修正対応の範囲・料金内でどこまで対応ができるかの取り決め など - 料金
支払い料金・支払い方法・支払い期日・別途料金が発生するケースの取り決め など - 著作権
著作権譲渡の有無・著作人格権についての取り決め・使用許諾の範囲 など
この他にも、秘密保持や不可抗力などについても取り決めておくと、より安全性の高い契約書となります。
特に秘密保持については企業様からのご要望が多い項目なので、しっかり聞き取りを行い、契約に組み込むようにしています。
② 契約書を使用するメリットって?
契約書を使用する一番のメリットは、後々のトラブルを回避することができるという点にあります。
また、イラストレーターとクライアントの関係は、本来対等であることが望ましいため、契約書のメリットも双方が得られる形になるよう作成しています。
<イラストレーターにとってのメリット例>
- 業務について締結しておくことで、予定外の業務の強要を断ることができる
- 支払いについて締結しておくことで、未払いを防ぐことができる
- 著作権について締結しておくことで、自身の権利を侵害されることがない。
<クライアントにとってのメリット例>
- 業務について締結しておくことで、未納品や業務の放棄を防ぐことができる
- 秘密保持について締結しておくことで、情報の流出を防ぐことができる
- 著作権について締結しておくことで、自社(自身)の権利を侵害されることがない。
厳密には、契約違反という形でトラブルが発生することもありますが、契約を締結しておくことで、それらの違反行為にもスムーズに対処できるという点もメリットの1つとなります。
③ 契約書を使用するデメリットは?
一番のデメリットは、管理するためのコストが必要となる点です。
書類による契約書であれば、先方に郵送したり、送り返して貰ったりする必要があるので、郵送費や手間が必要となります。
重要書類なので管理にも気を配らなくてはならず、取り扱う案件が増えれば増えるほどコストが必要となってきます。
④ 契約書って面倒そう……。
『読むのが面倒』『作るのが面倒』『クライアントに説明するのが面倒』
そんなイメージを持たれやすい契約書ですが、それでは何故大きな企業や経験の多いイラストレーターほど、契約書を重視するのでしょうか?
それは『契約をしなかったことで起こるアクシデント』の対処のほうが、遥かに面倒で大変だからです。
<契約をしなかったことで起こるアクシデントの例>
- 納品したのに相手からの返答がなく、料金の支払いもない
- 修正は2回までと伝えていたのに、何かと理由をつけて度々修正対応をさせられた
- 納品後も著作権は製作者側にあると約束したのに、自分のブログで画像を公開したら削除するように強要された
電話などでの口約束は勿論、時にはメールなどで取り決めた約束事でも、考えの行き違いなどからこういった問題へと発展する場合もあります。
契約書はこういった『面倒』を減らすためのものなので、面倒事が嫌いな人にこそ導入をオススメします。
イラストレーターの!電子契約のススメ
先述した契約書を使用するデメリット ――郵送費や管理費とそれに付随するコスト―― ですが、実は契約書を『電子契約』にすることで解消させることができます。
ネットのみで簡単に契約を締結できる『電子契約』
電子契約はネットだけで締結が可能な契約方法です。
契約書は全て電子ファイルとなるため、保管スペースも必要ありませんし、検索やリスト化もしやすいため断然管理がしやすくなります。
紙媒体と違いメールで送ることができるため、郵送費や印紙税も不要となりコスト面でも非常に優秀です。
郵便配達と違い、日にちを必要としないことも非常に魅力的です。
電子契約のしくみ
電子契約では、紙媒体の代わりにPDFファイルなどの電子ファイルが使用されます。
この電子ファイルが契約書として効力を持つために、以下の3点が重要となります。
- 公開鍵暗号基盤を利用した『電子署名』
- 電子署名が行われた時間が埋め込まれた『タイムスタンプ』
- データ改ざんを防ぐための第三者『電子認証事業者・電子契約サービス会社』
契約する両名の『電子署名』と『タイムスタンプ』が付与された電子ファイルを、電子認証事業者、もしくは電子契約サービス会社に提出することで、非常に安全性の高い電子契約の締結が可能となります。
電子契約が可能なWEBサービス
個人で電子契約を使用する場合、電子契約サービス会社を利用すると便利です。
月額料金や契約書の送信数に対する制限、タイムスタンプの有無など、サービス会社によって様々となっているので、自分に合ったサービス会社を探してみると良いと思います。
<個人的にオススメのサービス会社>
月額利用料0円のFreeプランとチュートリアルが用意されているので、初めて電子契約を導入する人にもオススメできるサービスです。
タイムスタンプは有料プランからの付与となりますが、非常に良心的で利用のしやすい価格となっており、使用できるオプションも格段に増えます。
また、クライアント側がこのサービスに登録しなくとも、簡単にサインができるという点も非常に魅力的です。
※2020年3月現在の情報
おまけ – 契約書の文書の参考になるサイト
【契約書類サンプル集】 – イラストデザイン著作権譲渡契約書サンプル
【テンプレート BANK】 – 「契約書」のテンプレート(書式)一覧
フリーランスイラストレーターは契約書で身を守ろう!
フリーランスのイラストレーターとして活動していくにあたり、契約書の存在は非常に重要なものとなります。
特に長期の製作期間が必要となる依頼や、金額の大きな依頼など、イラストレーターとして大きな仕事と感じるものにこそ、安心して仕事を進められるよう契約書の締結を検討してみて下さい。
電子契約ならメールで簡単に契約書を送ることができるので、提案もしやすく、先方の抵抗感も少なくなります。
現在紙媒体で契約書を管理している方も、契約書を利用していない方も、これを機に電子契約を検討してみては如何でしょうか?