自分で描いたイラストや作ったコンテンツの値段を決めるのって難しいですよね。
依頼してもらいたいけど、高すぎるかも。。ならもっと安くした方が。。でもそれだとモチベーションあがらないし。。みたいな。
個人商売の場合、往々にして、本当に欲しい金額より安く請け負ってしまうことが多いようです。
安い方が依頼されやすい、と思うからみたいですが、その裏には自分の提供するモノへの自信の無さの表れでもあります。
でもお客さんの立場に立ったら、安いに越したことはないだろう、と思われがちですが決してそんなこともなかったりします。
こんな実験がありました。
被験者にワインを飲んでもらい、どれくらいの満足度を得られるかということを調べるための実験にて。
本来9000円のワインを「9000円です」と言って飲んでもらったときと、
「1000円です」と言って飲んでもらったときの満足度を脳内スキャンして調査。
その結果…
全く同じワインにもかかわらず、なんと被験者20人全員が「1000円です」と言われて飲んだときのワインの満足度が低かった。
値下げをすると、お客さんの満足度は下がってしまうということもあるわけです。
本来、1万円で描くべきイラストなのに半額に値引きすることで5000円の価値しか感じてもらえなかったりするのです。
イラストレーターは基本的に、まだ描いてないイラストを購入してもらう商売ですし、買いたたかれやすい立場であることがほとんどなのですが、いざ値引き交渉を受けた時にこの話を思い出して頂き、強気に交渉してみてはいかがでしょうか?
それもわかります!わかりますとも!
せっかく依頼してきてくれたんだから値を下げてでも受注したいというその気持ち!よくわかります!
なので、そんなあなたのために、イラストレーターの正しい値引きの応じ方について書いてみたいと思います。
ちなみに値段設定については絶対に損しない!クリエイターの金額交渉術と見積もりの計算方法に書きましたのでご参考ください。
基本は値引きに応じてはいけない
大前提として、意味なく値引きに応じてはいけません。
あなたが似顔絵1枚2万円!と決定したならそれを貫き通すべきです。その価値がわかる人に買ってもらえばいいわけですし。高いと思う人は買わなければいいだけのことですから。
例えばディズニーランドが入場料500円で24時間営業とかになったらどうでしょう?
プレミア感が無くなり、今より人気は落ちるはずです。安くしたことでブランドの価値が下がってしまうから。
脳内アーティスト稲沼竣に学ぶ月収倍増の秘密!セルフブランディングの重要性にも書きましたが、今後イラストレーターも生き残るためにはセルフブランディングが必須です。
自分の価値を高めておかないと、いつまでたっても自転車操業から抜け出せません。
その上で、どうしても値引きしなければならない、または値引きしたい時があるかと思います。
そんな時は値引きする理由を明確にする必要があります。その理由づけパターンを考えていきましょう。
イラストレーターの値下げ交渉例
何の理由もなく値下げに応じるのは悪手です。
金銭的なデメリットを被るのであれば、それ相応のメリットがとれるよう交渉しましょう。
①大量発注 or 継続発注
例えばイラストカット1点あたりの単価を値下げする代わりに大量に発注してもらうという方法があります。
本来5000円で描きたいイラストカットでも2000円値引きする代わりに100点発注貰えれるのであれば30万円です。
1日で10点仕上げられるなら10営業日で完了できるので割と良い仕事なはず。
アプリのゲーム内で使用するイラストや専門書などのカットイラストなんかですと大量発注もあり得たりします。
また、特にフリーランスになると毎月の固定収入がありがたかったりします。
単価を多少下げてでも毎月確実に依頼してもらえるのであれば良し…と判断できるのであればそれも交渉材料になります。
実際にクイズアプリのカットイラスト依頼があった際に、依頼内容から1枚5000円は欲しいなと思っていましたがクライアントは3000円で依頼してきました。
全部で100枚のイラストカットを複数人のイラストレーターで1か月後までに仕上げる予定とのことだったので、3000円で請ける代わりに100枚全部依頼してもらうよう交渉しました。その際
- 自分一人で担当した方が絵柄を統一できる
- 15営業日もあれば100枚あげられるのでスケジュールに余裕をもって制作できる
という点をおして交渉しました。実際10営業日でほぼ描き終えることができました!
②納期を伸ばす
急ぎでない仕事の場合は、納期に余裕を持たせることで値下げに応じてはいかがでしょうか?
余裕を持ったスケジュールで依頼を請けて、他の業務の待ち時間など手が空いた時に作業を進められれば空き時間を有効に活用できます。
単価を落としたとしても空き時間にマイペースでコントロールできる仕事であればありがたいですよね!
納期に余裕のあるアニメーション制作の仕事を受注した際に、試しに他のクリエイターにその仕事の一部分を外注して連携をとる練習をしてみたりしました。
ディレクションの練習ですね。最初はうまくいかなかったりしますが連携を強化することでより効率的に作業を進めることができるようになります。
納期に余裕があれば、そういったチャレンジをすることもできます。
③特典を付ける
値段を下げずにプラスアルファの特典をつけることで顧客の満足度を上げることもできます。
お金を値下げするのではなく、金額そのままでお得感を出す高等テクニックですね。特典は例えば
- リサイズを無料で対応
- プレゼン用にモックアップに当てはめた画像もつける
- イラストや漫画を効果的に広告に使うためのマニュアルPDFプレゼント!
など。
顧客が喜ぶ何かを特典としてつけると値下げせずに満足感を高めてあげられます。
ただ安く請け負うイラストレーターと差別化もできます。
次の依頼へ繋げやすいです。
僕は基本的にリサイズは無料で請け負っています。
事前に必要な枚数とサイズを提示してもらえていれば、それに合わせて制作することでリサイズ自体そんなに手間ではないからです。
でも結構喜ばれますよ!特典としてはオススメです!
④実績を集客ツールとして活用させてもらう
※2021/05/24追記
最近はこの方法結構オススメです!
例えば
- 制作過程をTwitterで配信(依頼内容からラフ、線画、着色、修正内容も公開して、before afterも見せる、、など)
- 制作過程を撮影してYouTubeやTikTok、Instagramで動画公開
- 一連の制作過程をブログで細かく記載して公開
などすることで、この実績自体が次の仕事を引っ張ってきてくれる集客ツールになる可能性があります。
SNSやブログを見た顧客は
こういう依頼をすれば、こんな感じでできあがるんだ~
修正もちゃんと対応してくれるんだ~
と把握することができるので依頼しやすくなりますよね。
また制作過程を編集して動画化すれば、それだけでエンタメコンテンツとして成立するのでYouTubeやTikTokのアカウントに人を呼べます。
実績を利用して次の実績に繋げましょう!
値引きしてる負い目から、先方も断れない…はず…!
イラストレーターの値下げまとめ
イラストレーターが効果的に値下げする方法をまとめました。
- 大量発注、継続発注してもらう
- 納期を伸ばす
- 特典を付ける
- 実績を集客ツールとして活用させてもらう
こういった交渉をうまくしてタダでは転ばないイラストレーターを目指しましょう!!
そもそも金額交渉なんかしたくない!という場合は自分の市場価値を高めるしかありません。
セルフブランディング × アート活動で報酬額を高める方法もありますよ!
参考記事>>
脳内アーティスト稲沼竣に学ぶ月収倍増の秘密!セルフブランディングの重要性