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駆け出しイラストレーターの私がコンペ採用されるために意識した戦略的差別化

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チナップ
「夢は見るものではなく叶えるもの」をモットーに、フリーランスのイラストレーターを目指して活動中。親しみやすく分かりやすいイラストで、企業マスコットキャラクターデザイン、クオカードデザイン、Web・SNS用イラスト、似顔絵等を受注。水族館のお姉さんと世界一周経験者。今後、環境問題やSDGsをテーマに旅と生き物に関わるお仕事を増やしていきたいと目論んでいる。
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はじめまして!チナップ( @cnapillust )と申します。

普段は接客業に勤めている会社員ですが、2020年3月のステイホームをきっかけにipadを手に取り、フリーランスのイラストレーターを目指して奮闘中です。

先日、イラストレーター生存戦略運営、粕田さんのこんな投稿が話題になっていました。

動画はコチラ▼

仕事を獲得するイラストレーターの正しい差別化とは?実例も紹介

参考>
仕事を獲れるイラストレーターがやってる正しい【差別化】とは?実例も紹介!

 

「仕事で選ばれるイラストレーターになるためには、(最低限の画力レベルは当然として)他のイラストレーターとの「差別化」が必要である」と―

この投稿で、自分の強みは何なのかー?改めて自己分析された方も多いと思います。

なかには「特別な能力なんて思い浮かばない」と落ち込んだ方もいるかもしれません。

でもちょっと待ってください。

この差別化は、何も特別な技能のことだけを指すわけではありません。きっともっと「ささいなこと」でも良いんです!

本記事では、イラストを描き始めて4か月の駆け出しイラストレーターだった私が、コンペで「あること(差別化)」を意識した結果、採用に繋がり企業案件を獲得した話を一例としてご紹介します。

★「企業とお仕事をしてみたい!」と思っている駆け出しの方
★「実績がない初心者は採用してもらえない」と諦めている方
★「コンペでお気に入り候補には入るが採用まで至らない」と悩んでいる方

そんな方々が仕事のチャンスを掴むヒントになれば嬉しいです。

普段の営業や業務にも役に立つ内容になっていると思いますので、ぜひ読んでみてください!

 

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私が採用されるために意識した差別化

私が意識していたこと、それが即レス、スピード納品、挑戦することです。

具体的に説明していきますね。

 

差別化その①とにかく即レス

まず意識したのがとにかく「即レス」することです。

実績では太刀打ちできないことが分かっていた私は、クライアントの信頼を得て、振り向いてもらうために、素早く返信することで「私はやる気に満ち溢れています!」「仕事ができる準備が整っています!」感をアピールしていました。

万が一修正依頼が届いたときに即反応できるよう、応募後はこまめにメールをチェックしていました。

その昔、恋人のメールが届いていないか、iモードに問い合わせていた頃のように…(このネタ伝わりますか?笑)

いたってシンプルな方法ですが「即レス」を侮ることなかれ。

業務上の信頼関係を築き、プロジェクトを進めていくうえで「即レス」効果は絶大です。

例えば、飲み会などのイベントで幹事をしたとき、グループラインでなかなか返事が返ってこない人がいると日程や行先を決めかねたり、話が進まなかったりしてモヤモヤした経験はありませんか?
同様のことが業務で起きると商機のチャンスロスに繋がりかねません。

逆に、「了解」「いつまでに返事をします」とすぐに返事があるだけで予定がたてやすく、物事がスムーズに運びますよね。

すなわち「即レス」は業務上の大切なコミュニケーションであり、相手への気遣いでもあるのです。

こんな時間に返事しても大丈夫かしら?明日の朝に返信したほうがいいかも…。

と迷う必要もありません。

メールは相手が都合の良いタイミングで見ることが出来るのですから、返信(特に意見や返事を求められている場合)は気づいた時点で早めに送った方がベターです。

即レスやこまめなメールチェックが「暇だと思われる」「非効率」「まとめてチェックすべき」という意見も世の中には時々散見しますが、ビジネス上では機会損失でしかない、と個人的に思っています。

 

差別化その②スピード納品

修正希望や別案件の相談メールが届くようになり、次に意識したのが「スピード納品」です。

これも、即レスとほぼ同じ理由ですが、企業ではデザイナー、プログラマー、ディレクターなど、多くのスタッフがプロジェクトに関わっている場合が多いです。

すなわち、企業様とお仕事をするということはチームの一員として仕事すること。

貴方の返事や制作物待ちで、プロジェクト全体の進行が止まってしまうことも起こり得ます。

だからこそ、企業がイラストレーターを探すうえでは、「スムーズに業務を進め、納期を守ってくれる人かどうか。」すなわち「信頼できる人かどうか」をまず重視しているのではないでしょうか。

リモート化が進んでいる現在にいたってはなおさらです。

私はコンペ中の修正対応は基本的に即日対応。

遅くとも3日以内の納品を心掛けていました。(この時にこまめなメールチェックが役立っています。)

選考期間が限られているということもあり、素早いレスポンスを心掛けることで「私は納期を守ります。」「スムーズに業務を進めます。」ということをアピールしました。

加えて、1度の修正依頼につき4~10個ほどラフを提案していました。ちょっと暑苦しいですね(笑)

しかし、言われたことだけをこなすのではなく、浮かんだアイデアを積極的に提案することで、業務に対する姿勢と熱量をアピールすることができたと思います。

私が接客業で学んだことのひとつに「人は期待以上のサービスを受けたときに感動を覚える」という言葉があります。

素早い対応や、積極的な提案など、ささいなことでもお客様の期待値を超えれば感動に繋がり、結果的にクライアントの満足度をあげ、継続案件や報酬アップに繋がるケースもあります。

 

差別化その③挑戦してみる

即レス・即日対応を心掛け、いよいよ最終候補の3名に残ることができました。

最後に「Adobe illustrator(Ai)形式での納品は可能かどうか」という確認メールが届きました。

llustratorやPhotoshopなど、Adobe系ソフトが使えるクリエイターは重宝されます。

というより、プロとしての最低条件、という扱いなので「副業」と名乗る人との差別化は図れるかもしれません。

当時、私はかろうじてillustratorの勉強を始めたばかりで十分に扱えるレベルとは言えませんでしたが、

「はい、もちろん可能です!」

と答えました。

それからpngデータをaiデータに変換する方法を勉強したり、Adobe illustratorと連携できるAdobefrescoというペイントソフトを用いたりして(難しい場合は他の方法等を考えてくださると仰って頂きましたが)納品時には約束通りAiデータでの納品することができました。

賛否両論あるかもしれませんが、あまりにも無茶な嘘でなければ、迷惑をかけない程度の背伸びは許されるのでは無いでしょうか。

業務においても、実践しながら学ぶことの方が多いと思います。

まずは「やります」と手を挙げて挑戦してみることがチャンスを掴むきっかけになるかもしれません。

※ちなみに他の候補者は「無理です。」と答えていたようです。
私より先に問い合わせがあったということは、その方が第一候補だったかもしれません。もしその方が「はい。」と答えて、私が「無理です。」と答えていたら採用に繋がらなかったかも知れません。

 

反省と今後の課題

こうして、私は「カネなし・コネなし・スキルなし」状態で企業マスコットキャラクターのデザイナー・イラストレーターとして初めての企業案件を獲得しました。

採用後、実際に頂いたコメント▼

キャラクターの表情の豊かさ、応用のしやすさに加え、スピーディーに対応頂けたことが採用の決定打となりました。

キャラクタ―デザインコンペということで、デザイン上でも意識したことは色々ありますが、まさにアピールしていた機動力での差別化が採用に繋がったのです。

以来、現在も継続して発注を頂いており、イラストレーターとして歩み始めた私にとって大きな自信になっています。

しかし、反省点もあります。

●報酬と著作権
今回はクラウドソーシングサイト経由のお仕事でした。正直、単価は高いとは言えず、そのうえ、取引や報酬引出しの手数料もどんどん引かれていくので手取りはわずかなものになります。
また、クラウドソーシングサイトでは著作権譲渡と著作物人格権を行使しない、がセットになっていることが多いので2次使用料も期待できません。

●実績公開ができなかった
実績作りのために挑戦したコンペでしたが、なんと実績公開はご遠慮くださいと断られてしまいました!
せっかくの初案件というのに、これほど悲しいことはありません…。
今後の受注を考える際の基準の一つにしようと思えるようになりました。

これらの理由から、必要以上に消耗しないために、今後は本当にやりたいことかどうか、条件の見極めや程よいつきあい方を考えることが必要だと感じました。

 

今後の課題

というわけで反省点はいくつかありますが、契約書をかわしたり、請求書を作成したり、継続して仕事を発注頂いたり、Zoomやチャットワークを利用しながらチームでプロジェクトを進めたりと、私にとって初めての経験ばかりで、有意義な経験は変わりなく、後悔はありません。

何より、自分の描いたイラストが、企業様と、その先のお客様の喜びに繋がるという、かけがえのない経験をさせて頂くことが出来、改めて「イラストレーターとは素晴らしいお仕事だ!」と思えるようになりました。

今後は自分の力でご依頼を頂けるように、スキルアップはもちろんのこと、ポートフォリオサイト作り等、営業のための準備を頑張っているところです。

また紹介した通り、 illustratorやPhotoshopなど、Adobe系ソフトが扱えるクリエイターはやはり重宝されます。

というより、圧倒的に出来る仕事が増えます。未だに苦手ではありますが、YouTubeを観たり、買いきりのオンライン講座Udemyで勉強したりしています。(セールを狙えば講座が1500円で受けられたりするのでおすすめです。)

また、ステップアップとして粕田さんが提唱していた「イラスト×特技」の技能の差別化も課題にしています。

●動物イラスト×解説
私は生き物が好きで、描く絵も生き物がテーマになることが多いのですが、動物を描くイラストレーターはたくさんいます。
そこで、私は水族館で飼育員の実習生や解説員をしていた経験を活かした「生き物解説イラスト」をInstagram等SNSで発信し差別化しています。いつかは本として出版し、大人も子どもも楽しめる学習ノートを作りたいと思っています。

●旅×ブログ×イラスト
旅が好きで、これまでの旅行記をブログにまとめようと思っていますが、せっかくならイラストや漫画にまとめて発信し、それが旅に関わる仕事に繋がったら嬉しいな…と目論んでいます。

 

ささいなことでも差別化して仕事獲得できる!

私の経験談をもとにイラストレーターの差別化について紹介しました。

仕事を獲得する上で差別化は画力を磨くことだけではありません。

それはもしかするとささいな気遣いや誠実さかもしれません。わかりやすい資料作りやフットワークの軽さかも。

貴方だからこそできる価値提供を考えてみてくださいね。

 



 

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