フリーランスイラストレーターの岡本かな子(ホームページ)です。
この記事では、これまで10年以上イラストレーターとして働いている私の仕事獲得方法についてお話していきます。
私はこれまで以下の5つの方法で絵の仕事を獲得してきました。
- ポートフォリオを送る
- コンペに応募する
- 展覧会をする
- 直接アポイント営業
- 絵だけではない得意分野をBlogやTwitterなどでアピールする
それでは順番に解説していきます。
ポートフォリオを送る
顧客となる出版社やデザイン会社にポートフォリオ(作品集)を送ります。
営業としてお送りすることもあれば、過去にお仕事を頂いた会社に忘れられないようお送りすることもあります。
ポートフォリオの形態は2種類あります。
A4サイズのポートフォリオファイル
A4サイズのクリアファイルに印刷した作品を格納して作ったポートフォリオファイルです。
最近はPDFファイルなどで送るのがスタンダードですが、それゆえに物としてお送りするインパクトは強いと思っています。
また、大きな出版社のデザイン部にはA4ファイルを保管する専用の棚があるらしいです。
なので定形のA4クリアファイルで送ることでデータとして埋もれずに管理してもらえるかもしれません。
棚に保管された際にすぐわかるよう、背表紙にかならず自分の名前を書いてくださいね。
A4ポートフォリオファイルの作り方について詳しく解説した記事も書きましたので是非合わせてご覧ください。
ZINEタイプのポートフォリオ
ZINE(ジン)とは個人誌のことです。
イラストレーターのZINEは、作品をまとめて編集しポートフォリオとして営業用に使えます。
イラストレーターが個人で制作することもできるし、人によっては気合を入れてデザイナーさんに発注してつくってもらうこともあるようです。
私はグラフィック印刷でZineをつくりました。
ZINEを送付するときは、名刺と一筆書きを添え、それに合った封筒でデザイン事務所や出版社に送ります。
A4ファイルと比べてZINEはおしゃれなので、もらった相手に喜んでもらえるという利点があります。
ちょっとしたプレゼントのような意識で送ります。
お仕事でご一緒したデザイナーさんにお聞きすると「とてもうれしい」と喜んでくれたり、机の上に飾ってくれたり概ね好評なようです!
けれども人によっては、ZINEは(薄いので)捨てやすいからすぐ捨てる、などの意見も聞いたことがあります。切なすぎる。。。涙
コンペに応募する
イラストのコンペはたくさんあります。例えば
私はこれらに毎年応募し、そしてだいたい落選していました。。。
コンペって応募するだけで大変ですよね、イラスト原画を台紙に貼ったり、封筒にいれたり住所書いたり…。
コンペ料もばかにならない値段だったりします。
そこまでしたのに、落選して気落ちしてたらメンタルが持たないので実力もあるでしょうけど「運」もあると思いましょう。
「私の絵は最高だけど、審査員のテイストに合わなかったのね。」くらいに思っときましょう。
けれどももしもコンペに通ったり賞を受賞することができれば以下のようないいことがあります。
・審査員は有名な人たちばかりなのでお墨付きがもらえる
・よい宣伝になる
・プロフィール欄の自分の経歴に「○○コンペ、○○賞受賞」と書くことができる
何千人もの応募者の中から選ばれることになるので、大変名誉だし箔がつきますね。
そしていろんなところで告知されるのでよい宣伝にもなります。
プロフィール欄に○○コンペに入賞、という一言があれば、新規のクライアントさんも安心してお仕事を発注することができるでしょう。
【保存版】イラストの公募・コンペ・コンテストを開催しているサイトまとめ
展覧会をする
展覧会を行うメリットは
・いろんな業種の人に自分の作品を見てもらえる
・作品を販売して収益化できる
・来場してくれた方と交流できる
です。でも私が一番大きなメリットを感じるのは
ギャラリーが配布してくれるDMによる営業効果
にあります!実は。
忙しくて展覧会に直接足を運べない、というデザイナーや編集者でもDMはチェックしてくれてたりします。
ギャラリーがDMを発送しているということで信頼度も高くなります。
おかげで展覧会のあとは新規の仕事が増えます。
ただ、展覧会を企画するのは大変だし、費用もかかるので、私は5年に一度くらいしかしてないです。
毎日ギャラリーに立って新しい人に会ったり話したりするのは緊張の連続ですが、古い友人や家族が来てくれるとほっとします。
なので個人的にも家族や友人、ママ友や同級生にDMを送っています。
自分のイラストの宣伝目的なのはもちろんですが、普段なかなか会えない人や自分が本当に会いたい人たちとの交流の場としても捉えているんです。
展示会場は常に人がいたほうが温かい雰囲気が漂うので、そのような雰囲気作りも大切だと思います。
また、来場者がギャラリーでの展示風景をSNSにアップしてくれたりするのも宣伝効果高かったりしますよ。
イラストレーターがグループ展を主催してみた!お金や集客についてレポート
直接アポイント営業
*コロナが収束した後と仮定して書きます。
直接出版社やデザイン事務所に電話(or メール)をして、アポイントをとって絵をみてもらいに行く方法です。
直接会うというのは、精神的な壁がなくなるという点で一番営業効果が高いです。
もし、何かの企画に何人かのイラストレーターの名前があがり、絵も同じくらい素敵だとしたら、会ったことのある人が一番に優先されると思います。
依頼する側も人間なので、頼みやすいと思う人に依頼したくなるはずです。
これまで たくさんの編集さんやデザイナーさんが貴重な時間を割いて絵をみてくださいました。
その時もらった言葉は、今でも宝物です。
テレアポの手順
まず本屋さんで素敵なイラストが掲載された雑誌や本を見つけます。
その巻末に書いてある出版社に電話をかけます。
めちゃくちゃ緊張しながら
「イラストレーターの○○と申します、絵を見ていただきたいのですが直接お伺いしてもよいでしょうか、、」
といった内容を震える声で伝えてアポイントをとっていました。
出版社によっては素敵な喫茶室があったり応接間があったり。
と思えば煩雑におかれる原稿や資料にまみれたデスクの側で絵をみていただいたり。
見ていただく方の人数も1人だったり、4,5人だったり。
出版社によって全く違う雰囲気を味わうのが楽しみでもありました。
営業に行くときの持ち物
- ぶ厚めのポートフォリオ
- 納めてもらう薄めのポートフォリオ or ZINE
- メモ、筆記用具
- 名刺
- これまでした仕事などの現物
- 自分のグッズ
- 水、ハンカチ(緊張するので、飲んでから行く)
まず名刺を交換して、絵をみてもらうのですが、この時ポートフォリオはぶ厚めの方がいいです。
なぜかというと、ページをめくるのは3秒とか5秒、さっさっとめくっていくので、10ページとか20ページだけだと5分くらいしか時間がもたないからです。
今まで自分が描いてきた絵を50ページとか100ページの厚めのファイルにまとめて「じっくり見てもらう用のファイル」をつくりましょう。
その他に代表作と呼べる20枚くらいを薄いファイルにまとめて渡すといいと思います。
その際に頂いた言葉などはメモしましょう、誠実な感じが伝わりますし、やはり後で見返すと勉強になることがたくさんあります。
営業の際に、過去の展覧会でつくったポストカードとか、もらっても邪魔にならずちょっと嬉しいグッズをお渡しするというのは気が利いていて良いですね。
私の場合は新しい人に会うのが好きなのでできたわけですが、シャイな人は無理して直接会いに行く必要はないと思いますよ。 Zineをつくったりウェブサイトを充実させたりSNS投稿をがんばったり、自分にあった営業の仕方を考えましょう。
イラストレーターの持ち込み営業をステップ毎に解説!持ち込みは恐くない!
絵だけではない得意分野をBlogやTwitterなどでアピールする
絵以外の自分の得意分野についてブログやSNSでアピールしましょう。
子育てをしている、電車が好き、昆虫が好き、ペットが好き、食べ歩きが好き、旅行が好き、など何でもOKです!そうすることで
その分野の雑誌やメディアの仕事につながる可能性があるからです!
当たり前ですが、子育て雑誌なら子育てをしている人、旅行雑誌なら、その場所にいったことのある人のほうが仕事を依頼がしやすいですよね。
自分の興味あること、好きなこと、実体験を絵にする仕事を引きこめます。
私の実体験で言うと、家で民泊をしていたり、10年の年の差育児をずっとしているのでその分野のお仕事は随分とさせて頂きました。
その上でその分野のイラストが描ける人が少なかったり、時代にあっている分野であれば仕事に繋がる確率はより高くなります。
例えば、時代物のイラストレーターは希少価値が高いのは、当時の資料が限られているため、その場の雰囲気を正確に描ける人が少ないからです。
その時代に強い興味があり詳しい、と知られているイラストレーターは重宝されるのです。
好きなことを発信して絵の仕事につなげる方法を実体験から解説します
最初から絵だけで食べていくのは正直難しい
きついことをいうかもしれませんが、最初からイラストレーションだけで生きていくのは無理だと思ったほうがいいです。
たまにめちゃくちゃ才能のある人が最初からうまくいくことがあるかもしれないのですが、やはり長い道のりだと思って気長にコツコツと、できれば楽しんでやっていきたいですよね。
時間がかかるというのは、ポートフォリオの送付や展示にしても、反応があるのが半年後や3年後などいつお仕事が来るか予想できないからです。
なので私は副業をおすすめします。
日々の生活費がきつくなってしまうと絵を描く気持ちも落ちてしまうので、イラストとは別に稼ぐ手段を考えましょう。
実家に住む、シェアハウスに住むなどして生活費のコストをなるべく下げて絵を描く時間や余裕を確保できるといいですね。
その際、副業といえども自分の好きな仕事をするべきです。
コーヒーが好きなら喫茶店でバイト、お掃除が好きならおそうじさん等、なるべく自分のライフスタイルに合わせて無理なくできるのがいいと思います。
自分の好きなことで副業をしていると、そこで得た経験までも絵にすることができるからです。
たとえば喫茶店でのバイト中にみた景色や、そこでの仕事の流れ、お客さんで来るのとはまた違った視点が養われるでしょう。
副業の合間に、絵を描いたり、営業にいったりして、イラストの仕事が忙しくなったら副業の割合を減らして収入とメンタルのバランスを保ちましょう。
とにかく好きなことを とことんまで追求して、それを絵にしていく。
絵を描いたら自分で宣伝して営業していく、しかしこれがなかなか難しいんですよね。。。
この記事がちょっとでもみなさんのお役に立てれば嬉しいです、最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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