こんにちは。イラストレーターの岡本かな子(ホームページ)です。
文芸や育児雑誌、広告や映像いろいろな分野でイラストレーションの仕事をしています。
仕事歴は出産育児などで途中休んだり復活したりいろいろと波がありますが、だいたい10年以上このお仕事をしています。
現在はコロナ禍でなかなかに営業も難しいかと思いますが、極めてスタンダードなA4ポートフォリオの作り方を解説したいと思います。
しかし今のポートフォリオツールのトレンドとしてはZineもしくはA4ポートフォリオをウェブ上でダウンロードしてもらえるようなファイルをつくることが主流みたいですね。
けれども実際に手にとれるポートフォリオがあると何かと便利です!
それにウェブ上にデータをつくるにしても基本的なことを身に着けておくととても役立つので、是非最後までご覧ください!
この記事は以下のような悩みを抱えている方に読んでいただければと思います。
- イラストレーターが売り込みや送付の際にどのようなポートフォリをつくったらいいかわからない。
- サイズや枚数、形式や作る上でのポイントなどあれば知りたい。
- 送付と手渡しの違いは?
- 仕事に結びつくようなポートフォリオをつくりたい。
理想的な持ち込みポートフォリオはA4クリアファイル10ポケット
20ポケット、30ポケットでもいいのですがその分入れるイラストレーションの枚数が多くなり作るコストが高くなります。
100枚の紙にイラストレーション印刷したって10ポケットでも5冊しかできないんですよ、、それ以上のこと考えただけでもめちゃめちゃ苦痛じゃないですか。。
※1ポケットには裏表で2枚入れられます
このエコの時代に自宅のプリンタで100枚印刷されるの待って、紙を補給したりインク変えたり、指サックはめてファイルに紙を詰める作業とかほんとにめっちゃ大変です。
この作業、楽しめる人もいるかもしれませんが私はとっても苦痛です。
なので私はA4クリアファイルの10ポケットをオススメします。
シンプルな透明なやつがいいですよ。
ついでに紙にもこだわって、プリンターにあった出力がきれいにでるものを選びましょう。
発色性に優れている。イラストを美しく印刷できます。
表面が滑らかで厚みがある。高級感がある。
プリンターの設定もいろいろあるので、試し刷りをしてみて一番きれいに出る設定を選択してください。
今の自分にとって最高によくできた20枚を厳選していれましょう。
送り先に合わせた内容でポートフォリオを組む
送付する際にその会社に合わせたポートフォリオに変更することを心がけましょう。
人ってたくさん選択肢があると逆にわからなくなるみたいです。
なので、ファイルページは少ないかもしれませんが今の自分を一番良く表している、なおかつ送付先にも見合ったベストな20枚で勝負です。
せっかく苦労してつくるので、苦労ついでにここめっちゃ大事です。ターゲット命。
以前私は何の知識もなく、大量に同じファイルを作っていろいろな会社やデザイン事務所に送付していました。
ターゲットが絞り込まれていなかったので全然仕事が来ませんでした。
その後、その会社に合わせた内容のポートフォリオを送ることで仕事につなげることができました。
文芸の編集部に送るなら、モノクロのものや以前文芸誌で仕事したものや、仕事と想定して描いたもの。育児雑誌なら、線画の子供やあかちゃん等。
ポートフォリオの内容を工夫する
ポートフォリオを作るうえで工夫しているポイントをまとめてみました。
例:お茶を習っている、3人の子育て中、鉄道オタク、など自分をとてもよく表すものはプラスになります
左右のページのイラストが統一性も持った絵、色調が同じ、絵柄が同じ、などであるといいです
細かいカットなど複数組み合わせてデザインしましょう
これ以外にも、イラストの見せ方いろいろ工夫してくださいね!
展示やったことある人は展示風景やその内容、グッズ展開してる人はグッズ載せたりするのいいと思います。
あと私はやったことないのですが、絵が完成するまでのラフスケッチから途中経過、完成までの様子を載せる人もいるみたいで、そういうのもおもしろいと思います。
これはどんな画材を使って描いたか、時間はどのくらいかかったか、制作ソフトの種類とかそういう文字情報もあるといいですね。
これでは全然美しいポートフォリオではありませんでした。(全然仕事も来ませんでした。。涙)
A4ファイルは送付ではなくできれば直接渡す
A4イラストファイルを作るコストは
・クリアファイル
・印刷用紙
・インク
・封筒
・切手代
・作る作業をした自分の人件費
など見積もるとざっと500円~1000円以上する高価なものです。
文芸誌の挿絵が1案件15000円だとすると、最低でも10冊送って一つ仕事を頂かないと赤字になってしまいます。
なので私は10冊送って一つ仕事を獲得するのを目安にこの作業をしていました。
それでもただ送付するだけではなんの反応もわからないし、封筒も開けられず編集部の片隅で眠っていることだって無きにしもあらずです。
せっかく手間暇かけて、お金もかけてつくったファイルがそんな風に放置されたら嫌ですよね。
なのでさらに仕事を獲得する確率を上げるには、ファイルを直接編集者やデザイナーに手渡しすることです。
アポイントをとって直接会いに行きましょう。
ここではファイルを手渡しするのが目的ですが、プロの編集者やデザイナーに絵をみてもらうのは仕事に繋がらなかったとしてもとても価値にあることです。
直接会うことでポートフォリオが確実に渡せたことが確認できるし、顔も覚えてもらえるし、アドバイスによって自分の絵が向上します。
直接会いにいくのが緊張してだめだという人がいるんですが、会いにいくのはまったく怖くないですよ。
といってもこの時代ですからね、こういう心意気をこめながらデータを作成し、きれいなポートフォリオ作成をするだけでも全然違うと思います。
会う、会わないどちらにしても結局人は「いい人と仕事がしたい!」と思っているはずです。
ポートフォリオの作成やメールの返信、仕事用のSNS発信全てにおいて「丁寧さ」「感謝の気持ち」を心がけましょう。
未来のクライアントはきっと見てくださっていますよ!
それでは長文を読んでいただきありがとうございました。この記事がみなさまのお役に立てればとても幸いです。