絵の仕事を増やしたくて「営業しなきゃ」と思っている。でも、いざ手を動かそうとすると、こんなところで止まっていませんか。
- どこに売り込めばいいのか、営業先が思い浮かばない
- 営業メールを書いてみたけれど、何を書けばいいのか分からない
- 何通か送ったのに返事が来ない。迷惑だったのかなと思うと、次が送れない
営業が苦手なのは、性格のせいでも、絵の腕のせいでもありません。「誰に・何を・どう見せるか」の順番が決まっていないことが、つまずきの原因になっている場合があります。
僕はいま、アニメーション制作会社の粕田屋を経営していて、イラストレーターさんに仕事をお願いする側にいます。
会社には、イラストレーターさんからの営業メールも届きます。この記事は2017年に書いた営業の記事を、発注する側の目線を足して2026年版として全面的に書き直したものです。
営業を始める前に決めること、7つの営業方法の向き不向き、発注する側が営業メールのどこを見ているか、そのまま使える営業メールの例文、返事が来ないときと断られた後の動き方、仕事が決まった後の条件確認まで、順番にまとめます。
営業を始める前に決める3つのこと
いきなりメールを送り始める前に、次の3つを決めておきます。ここが曖昧なままだと、どれだけ数を送っても「何を頼めばいい人なのか」が相手に伝わりません。
- どんな仕事をしたいか
- その仕事を、誰が発注しているか
- その相手に、どの作品を見せるか
① どんな仕事をしたいか
「イラストの仕事なら何でも」では、営業先も見せる作品も決まりません。書籍の装画、広告のイラスト、ウェブ記事の挿絵、ゲームのキャラクター、動画の素材など、まず1つか2つに絞ります。
絞ると仕事が減りそうに感じますが、発注する側から見ると「この人は○○が得意な人」と覚えやすくなり、案件が出たときに思い出してもらいやすくなります。
やりたい仕事を1つか2つに絞る具体的なやり方や、ジャンルを決めて営業した実例は、こちらが参考になります。
② その仕事を、誰が発注しているか
やりたい仕事が決まったら、その仕事を誰が頼んでいるのかを調べます。営業先はここから見つかります。
- 本・雑誌の仕事:奥付や巻末のクレジットにある出版社・編集プロダクション・装丁を担当したデザイナー
- 広告・ウェブの仕事:制作会社や広告代理店の「実績」「制作事例」のページ
- 動画の仕事:動画制作会社・アニメーション制作会社の実績ページ、動画の最後のクレジット
- 企業の自社発信の仕事:その会社の広報・マーケティングの担当部署
狙い目は、自社で案件をたくさん抱えている会社です。広告代理店、制作会社、編集プロダクション、企業のマーケティング部門などは、1回きりではなく続けて頼める人を探していることが多いからです。
③ その相手に、どの作品を見せるか
営業先が見えたら、その相手の仕事に近い作品をポートフォリオの先頭に置きます。実績がまだなければ、相手の仕事を想定した架空の案件を描いて載せるのも手です(どんな商品の、どんな場面で使う絵か、を一言添えると伝わり方が変わります)。
ポートフォリオは作品集ではなく、「あなたの仕事でこう使えます」という提案書だと考えると、何を載せるかが決めやすくなります。
イラストレーターの営業方法7つ|向き不向きを比べる
2026年のいま、イラストレーターが使える営業の方法は大きく7つあります。どれか1つが正解というより、時期と目的で組み合わせるものです。

図のとおり、方法ごとに「何のためにやるか」が違います。僕自身の実感では、クラウドソーシングは実績を積む場所、直接の営業は単価を上げる場所、と分けて考えると迷いにくくなります。
1. SNSで発信する
X・Instagram・pixiv などに作品を載せ、見つけてもらう方法です。
費用がかからず、駆け出しでも始められるのが良いところです。
ただ、SNSは「待ち」の営業です。発信を続けてもすぐに依頼が来るとは限らず、フォロワーが増えるまで時間がかかります。
SNSだけに頼るより、プロフィールから仕事用のポートフォリオへ1回で飛べるようにして、ほかの営業の受け皿にするのがおすすめです。
プロフィールに「駆け出し」と書くのは、謙虚なつもりでも、発注する側には「任せて大丈夫かな」と映ることがあります。
「何を描く人か」を一言で書いておきましょう。
2. ポートフォリオサイトを持つ
すべての営業の土台です。営業メールにも、SNSのプロフィールにも、登録サービスにも、最後はここのURLを貼ることになります。
発注する側がポートフォリオで見ているのは、上手さだけではありません。テイストがそろっているか、どんな用途で使えるかが分かるか、料金や連絡先がすぐ見つかるか。
この3つがそろっていると、社内で「この人どうですか」と回しやすくなります。
3. スキルマーケット・クラウドソーシングに登録する
ココナラ
や SKIMA のように自分のサービスを出品して依頼を待つ方法と、クラウドワークス
やランサーズのように募集中の案件に応募する方法があります。
実績がゼロでも仕事の流れを体験できるのが最大の利点です。僕も会社員と並行していた副業の時期に、できそうな案件に片っ端から応募しました。
最初は30件応募して1件決まるかどうか、という感覚でしたが、慣れて実績が増えるにつれて決まる割合も上がっていきました。
一方で、価格が比べられやすく、単価は低めになりやすい傾向があります。仲介の手数料も引かれるので、ここで実績を作ったら、次の営業へつなげていく使い方が向いています。
4. 制作会社・広告代理店のクリエイター登録、エージェントを使う
制作会社や広告代理店の中には、サイトに「クリエイター登録」「外部スタッフ募集」の窓口を設けているところがあります。
クリエイター向けのエージェント(仕事を紹介してくれる会社)に登録する方法もあります。
また、出版や広告の分野には、イラストレーターの作品を預かって仕事を紹介してくれるイラストレーターのエージェンシー(事務所)もあります。
所属には審査があるので、作品がある程度そろってから相談する形になります。
僕も副業の時期に、クリエイターを募集している広告代理店や制作会社へまとめて登録しました。
登録した直後は、まず仕事は回ってきません。ポートフォリオを整え、実績が増えてきたあたりから、少しずつ相談が来るようになりました。
登録して終わりにせず、新しい作品ができたらポートフォリオを更新して、担当者に一言伝えるくらいの動きがあると、思い出してもらいやすくなります。
5. 営業メールを送る(直接の営業)
やりたい仕事を発注している相手に、自分から連絡する方法です。手間はかかりますが、相手を選べて、単価の相談もしやすいのが強みです。
いまのイラストレーターの営業の中心は、このメールだと言ってよいと思います。
書き方と例文は、このあと詳しく紹介します。
6. 持ち込み・作品ファイルの郵送・電話
出版社や編集部などには、作品ファイルを持って会いに行く「持ち込み」や、印刷したファイルを郵送する方法が今も残っています。
オンラインで画面を見せる形も増えました。いずれもアポなしで行かず、事前にメールで担当者の確認をとるのが基本です。
手間は大きいぶん、その場で感想や「こういう絵も見たい」という具体的な声をもらえるのが利点です。
電話は、相手の忙しい時間を止めてしまうので、使うならまずメールを送ったうえでの確認にとどめるのが無難です。
7. 公募・コンペに応募する
イラストの公募やコンペで入選すると、実績として書けるうえ、主催者や審査員の目に作品が触れます。
ほかの営業と並行して出せるので、実績が少ない時期の箔付けに向いています。
番外:イベント・商談会・即売会で直接会う
7つの方法に加えて、イベントや商談会に出て、発注する相手と直接会う道もあります。
クリエイターEXPOのような商談会では、企業の担当者と名刺を交換して、その場で売り込めます。コミティアやコミックマーケットのような即売会は、作品を手に取ってもらいながら、ファンや仕事相手とつながれる場です。
出る前に、自分は何が得意で、どんな絵で役に立てるかを一言で言えるようにしておくこと、気になるイベントは一度見学しておくことをおすすめします。
手間はかかりますが、メールでは伝わらない人柄や作品の質感を、その場で見てもらえるのが強みです。
入口は1つに頼らない
僕の今の受注経路も、広告代理店、制作会社、ウェブからの問い合わせなど、どれか1つに頼っているわけではありません。
入口が複数あると、仕事が途切れにくく、割に合わない仕事を断れるようになり、単価の相談もしやすくなります。
イラストの仕事はどこから来るか|単発で終わる人と、繰り返し頼まれる人
営業先を選ぶ前に、知っておくと近道になるデータがあります。
フリーランス協会の「フリーランス白書2025」(有効回答1,053人)によると、仕事を見つけている経路は人脈(知人の紹介を含む)72.8%、過去・現在の取引先61.0%が上位です。さらに「最も収入が得られる仕事はどこから来たか」を1つ選ぶと、人脈35.6%・過去・現在の取引先29.9%で、合わせて約65%。クラウドソーシングは6.0%でした。
読み替えると、収入が安定している人は、新しい相手を探し続けているのではなく、一度つながった相手から次をもらっているということです。
だからこそ、営業は「誰に送るか」で差がつきます。
イラストの発注元は、大きく2種類に分けられます。
- 単発で終わりやすい相手:個人のお客さん、お店の看板、周年記念など。その人にとって「一生に何度もない発注」なので、満足してもらえても次の依頼そのものが発生しません
- 繰り返し発注する相手:広告・販促・記事の挿絵など、毎月のように絵が要る立場の会社。制作会社、広告代理店、編集プロダクション、企業のマーケティング部門などです
単発で終わる人は、腕が足りないのではなく、単発しか発注しない相手とばかりつながっていることが多いのです。
一度でも「繰り返し発注する相手」を押さえられれば、白書でいう「過去・現在の取引先」の枠に自分が入り、営業のかけ直しから解放されます。
では、その相手はどこにいるのか。多くは制作会社や代理店に集まっています。
広告やウェブの絵は、広告主が直接イラストレーターに頼むのではなく、間に制作会社が入って外部のクリエイターに配分していることがほとんどだからです。

当サイトを運営する粕田屋の案件を無作為に150件抜き出して商流で分けると、制作会社・仲介から112件、広告代理店から直接33件、広告主から直接は5件でした。
つまり150件中145件が、誰かを経由して届いた仕事です。制作会社や代理店に立てば、複数の広告主の案件が繰り返し流れてくる、ということでもあります。
営業先のリストを作るときは、「一度きりで終わる相手」より、毎月のように絵が要る会社を優先して並べてみてください。
同じ数の営業でも、仕事が続く確率が変わってきます。
発注する側は、営業メールのどこを見ているか
ここからは、営業メールを受け取る側の話です。正直に言うと、発注する側は届いたメールを最初から最後まで丁寧に読む時間がないことも多いです。
だからこそ、見る順番を知っておくと、書き方が一気に変わります。
僕が営業メールを受け取ったときに見ているのは、だいたい次の順番です。
- 件名:誰から、何の連絡かが一目で分かるか
- 最初の3行:どんな絵を描く人か。うちの仕事に合いそうか
- 作品へのリンク:1回のクリックで作品が見られるか
- 先頭の作品:うちの仕事に近い絵が最初に出てくるか
- 対応できる範囲:納期の目安、料金の考え方、どこまで対応できるか
- 人となり:署名の連絡先やSNSから、どんな活動をしている人か
特に大事なのは2と4です。発注する側が知りたいのは「上手いかどうか」より「うちの仕事を任せられるかどうか」。
いくら上手な絵でも、相手の仕事とテイストが離れていると、検討の場に乗せにくいのです。
逆に、すぐに頼む案件がなくても、「この人は○○が得意」と分かるメールは、案件が出たときにあとから探し直すことがあるので残しておきます。
件名に「イラスト制作のご相談(○○が得意なイラストレーター)」のように、得意なことを入れておくと見つけてもらいやすくなります。
動画・アニメーション制作会社に営業するなら
粕田屋のような動画・アニメーションの制作会社も、イラストレーターさんにとっては営業先の1つです。
1枚絵の仕事とは見られるところが少し違うので、送る前に次の点を足しておくと話が早くなります。
- 同じキャラクターを、表情やポーズを変えて何枚も描けるか:動画では1人の人物が何カットも登場します。表情違い・向き違いの作品があると安心です
- パーツを分けて納品できるか:動かすために、髪・目・口・腕などを分けたデータを頼むことがあります。対応できるなら一言書いておきます
- 横長・縦長の画面で描けるか:横長の動画と、スマホ向けの縦長の動画では、絵の置き方が変わります
どれも「描ける」と分かる作品が1〜2点あるだけで、検討に乗せやすくなります。
営業メールの書き方|型と例文
営業メールは、次の型に沿って組み立てると、短くても伝わります。

例文1:制作会社・広告代理店へ初めて送るとき
コピーして、【】の部分を自分の内容に書き換えて使ってください。
株式会社【○○】
【制作部】【○○】様
突然のご連絡失礼いたします。
イラストレーターの【名前】と申します。
【やさしいタッチの人物イラスト】を中心に、【ウェブ広告や記事の挿絵】を描いています。
御社の制作実績で拝見した【○○のサービス紹介の動画/広告】のように、
【親しみやすい人物で、商品の使い方を説明する】お仕事で、お力になれると思いご連絡いたしました。
近い用途の作品を、ポートフォリオの先頭にまとめています。
▼ポートフォリオ
【URL】
・対応できること:【人物・小物のイラスト、背景のある1枚絵、動画用のパーツ分け】
・納期の目安:【ラフ提出まで○営業日ほど】
・料金:【ポートフォリオに目安を掲載しています】
今すぐのご依頼でなくても、今後イラストが必要になった際に、
候補の一人として思い出していただけたらうれしいです。
お忙しいところ、最後までお読みいただきありがとうございました。
――――――――――
【名前】(イラストレーター)
メール:【アドレス】
ポートフォリオ:【URL】
SNS:【URL】
――――――――――
ポイントは、「なぜこの会社に送ったのか」を1〜2行で書くことです。相手の実績を見たうえで送っていることが伝わるだけで、一斉送信のメールとは読まれ方が変わります。
例文2:返事がないとき、もう一度だけ送るとき
株式会社【○○】
【○○】様
先日、イラスト制作のご相談でご連絡いたしました【名前】です。
お忙しいところ重ねてのご連絡となり、失礼いたします。
その後、【○○向けの説明イラスト】を新しくポートフォリオに追加しました。
御社の【○○】のようなお仕事に近い作品ですので、お時間のあるときにご覧いただけたら幸いです。
【作品ページのURL】
ご不要でしたら、このメールへのご返信は必要ありません。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
――――――――――
【署名】
――――――――――
再送は催促ではなく、新しい作品を見せる機会にします。「ご返信は不要です」と添えると、相手も気が楽になります。
例文3:断られた相手・前に仕事をした相手へ近況を送るとき
株式会社【○○】
【○○】様
(以前ご連絡した相手へ)
以前、【○月】にイラスト制作のご相談でご連絡いたしました【名前】です。
(前に仕事をした相手へ)
【○月】にはお仕事でお世話になり、ありがとうございました。【名前】です。
※どちらか一方を使ってください
最近、【ジャンル】のお仕事で【どんな絵】を担当し、
ポートフォリオに【○点】作品を追加しましたので、ご案内いたします。
【URL】
またイラストが必要になる機会がありましたら、お声がけいただけるとうれしいです。
――――――――――
【署名】
――――――――――
やりがちなNG例5つ
受け取る側として「もったいないな」と感じるのは、次のようなメールです。
- 一斉送信だと分かる:会社名がなく、相手の会社のことに一言も触れていない(担当者の名前が分からないときは「制作ご担当者様」で構いません)
- 「何でも描けます」:得意なことが分からず、どの案件に当てはめればいいか迷う
- 重いファイルを添付している・作品集をダウンロードしないと見られない:会社によっては添付ファイルを開かない決まりがあり、ダウンロードの手間があるだけで後回しになりがちです。作品は、クリックしてそのままブラウザで見られるリンクで見せるのが安全です
- 自己紹介が長い:経歴や想いが先に何行も続き、どんな絵を描く人かが最後まで出てこない
- 「お仕事ください」で終わる:何を頼めるのか(対応範囲・納期・料金の考え方)が書かれていない
返事が来ない理由と、追いメールの考え方
営業メールは、返事が来なくて当たり前くらいに構えておくと気が楽です。落ち込む前に、返事が来ない理由は、あなたの絵の評価とは関係がない場合も多いことを知っておいてください。
- いま、頼む案件がない:メールを読んだ時点で、ちょうど合う仕事がない
- 担当が違う:送った先が、外注を決める部署や人ではなかった
- 埋もれた:忙しい時期で、ほかのメールに流れてしまった
- テイストが合わない:相手の仕事と、見せた作品が離れていた
このうち自分で直せるのは、最後の「テイストが合わない」と、件名で埋もれにくくすることです。
送る相手を絞り、相手に近い作品を先頭に置く。これだけで、同じ数を送っても手応えは変わってきます。
追いメールの間隔に、決まった正解はありません。僕のおすすめは、追うのは1回まで、追うときは新しい作品を添えることです。
そのあとは日にちで区切るより、「新しい作品ができたとき」「相手の会社の新しい仕事を見たとき」を、次に連絡するきっかけにします。
返事の来やすさは、相手や送り方で大きく変わります。たとえば切り絵のイラストレーターのせいのみわおさんは、2年弱で約160件の営業メールを送り、4分の1ほどから返事があったとnoteに書いています(私がやったイラスト営業と、考えたこと|note)。
営業は、すぐに結果が出なくても無駄になりません。イラストレーターのサタケシュンスケさんは、イラストレーターのエージェンシー数社に年1〜2回ずつ新作を見せに行き続け、最初に見せてから4〜5年後に初めて依頼が来たと書いています(絵の仕事を得るための営業のはなし|note)。
断られた後、返事がなかった後の関係づくり
一度断られた相手は、終わった相手ではありません。発注する側から見ると、「前に連絡をくれた人」は、知らない人より頼みやすいのです。
続けて思い出してもらうために、次の3つをやっておきます。
営業先リストを作って記録する
表計算ソフトに、会社名・担当者・送った日・見せた作品・返事の内容・次に連絡するきっかけを書いておきます。
送りっぱなしにせず記録しておくと、同じ相手に同じ作品を送ってしまう失敗も防げますし、どんな相手から返事が来やすいかも見えてきます。
相手の仕事に関心を持ち続ける
営業先の会社が新しい作品を出したら見ておき、次の連絡で一言触れる。相手のSNSがあれば、仕事の発信を追っておく。
相手の仕事をよく知っている人は、それだけで頼みやすい人になります。
仕事が決まったら|条件の確認と、次の仕事へのつなげ方
営業で仕事が決まったら、描き始める前に条件をメールで確かめます。2024年11月に施行されたフリーランス新法で、フリーランス(従業員を雇っていない個人など)に仕事を頼む事業者は、仕事の内容・報酬の額・支払期日などを書面やメールで示すことになりました。
相手から届かないときは、こちらから次の項目をまとめて確認すると安心です。
- 何に使う絵か(媒体・使う期間・地域)
- 著作権の扱い(譲渡するのか、使ってよい範囲を決めるのか)
- 修正は何回までか、追加の修正はどう扱うか
- 納期と報酬額、支払日
そして一度仕事をもらえたら、そこからが本番です。締め切りを守る、修正の相談に気持ちよく応える、納品のあとに一言お礼を送る。
続けて頼まれる人になることが、いちばん効率のいい営業です。リピートや紹介が増えると、新しく営業する手間そのものが減っていきます。
営業が怖い・苦手な人へ
営業が苦手だと、「お金を払って誰かに代わりにやってもらおう」と考えたくなります。
僕も以前、営業代行の会社を3社試したことがあります。まったく仕事が来なかったわけではありませんが、かけた費用に見合う成果にはなりませんでした。
格安でメールを一斉に送ってくれるサービスも、費用対効果で見ると同じでした。
以前話したイラストレーターさんは
「イラスト制作は2割、残りの8割は営業、マーケティング」
と話していたっけ🙄そこまでいかなくとも、フリーでイラストレーターをしていくのであれば制作以外にも重心を置くべきポイントがあるということを把握しておくべきですね💡…
— イラストレーター生存戦略の粕田 (@ksd_illust) August 24, 2026
結局、いま僕が仕事をいただいているのは、自分で開拓して、長く付き合いのある会社がメインです。
遠回りに見えても、相手を選んで、自分の言葉で連絡するのがいちばんの近道だと感じています。
怖さを減らすコツは、1日1社でいいので、相手をよく調べてから送ることです。数を追うより、「この会社にはこの作品」と自信を持って送れる1通のほうが、気持ちも楽で、返事も来やすくなります。
よくある質問
実績がゼロでも、営業していいですか?
大丈夫です。実績がなければ、やりたい仕事を想定した架空の案件の作品をポートフォリオに載せて営業します。
並行してクラウドソーシングや公募で実績を作り、増えたら営業メールに書き足していきましょう。
営業メールは何件くらい送ればいいですか?
決まった件数の正解はありません。数を増やすより、やりたい仕事の発注元を調べて、相手に合わせた1通を送るほうが手応えにつながります。
送った相手と結果を営業先リストに記録し、返事が来やすい相手の傾向を見ながら調整してください。
営業メールに料金を書いたほうがいいですか?
メールに細かい金額を並べる必要はありませんが、ポートフォリオに料金の目安があると、発注する側は社内で検討しやすくなります。
メールでは「料金の目安はポートフォリオに載せています」と一言添えれば十分です。
作品はメールに添付したほうがいいですか?
リンクで見せるのがおすすめです。重いファイルは受信できないことがあり、会社によっては外部からの添付ファイルを開かない決まりもあります。
作品集を「ダウンロードしてから見る」形にするのも、受け取る側には手間です。どうしても添付するなら、軽いPDF1つにまとめます。
SNSのメッセージ機能で営業してもいいですか?
相手がSNSで「お仕事のご相談はメッセージで」と案内している場合は問題ありません。
そうでなければ、会社の問い合わせ窓口やメールに送るほうが、社内で共有されやすく、担当の人にも届きやすくなります。
個人の担当者のアカウントに、いきなり営業のメッセージを送るのは避けたほうが無難です。
SNSのフォロワーが少なくても、仕事は来ますか?
来ます。営業メールやクリエイター登録で仕事を受ける場合、フォロワー数より「相手の仕事に合う絵が描けるか」が見られます。
SNSは、ポートフォリオへの入口と、人となりを伝える場所として整えておけば十分です。
まとめ|営業は「相手を選んで、続けて思い出してもらうこと」
イラストレーターの営業は、たくさん送ることよりも、相手を選び、相手に合わせて見せ、続けて思い出してもらうことです。
- 営業の前に「やりたい仕事」「発注している相手」「見せる作品」を決める
- 営業方法は7つ。クラウドソーシングや公募で実績を積み、直接の営業で単価を上げる
- 発注する側は、件名と最初の3行、先頭の作品で「うちの仕事を任せられるか」を見ている
- 営業メールは型に沿って短く。作品はリンクで、なぜその会社かを1〜2行で
- 返事が来なくても落ち込まない。追うのは1回、次は新しい作品をきっかけに
- 断られた相手も記録しておき、決まった仕事は条件を確かめて、次の仕事につなげる
まずは今日、やりたい仕事を1つ決めて、それを発注している会社を3社調べるところから始めてみてください。
この記事のテーマを深めるなら、手元に置いておきたいもの


















