こんにちは、イラストレーターのみこです。
最近はお仕事の問い合わせが増えており、ありがたい限りです!
そんな私は今まで2回、全部で3つの出版社へ少女漫画の持ち込みをしたことがあります。
今回は当時を振り返り
- 持ち込みの流れ
- 実際に編集者からもらったアドバイス
- 漫画制作・持ち込みで活用したグッズ
について書かせていただきました。
漫画家を目指す方だけでなく、趣味や同人活動にも役立つ(かもしれない)情報を書いてます。
実際に持ち込みした原稿データも一部載せてますのでぜひ最後までお楽しみくださいね。
漫画持ち込みまでの流れ
①漫画原稿完成
まずは持っていく漫画を完成させます。
雑誌によってはネームでも見てくれるところもあるので各HPで確認してみてくださいね。
▲実際に持ち込んだ原稿の一部
②出版社へ連絡、持ち込みの日時を予約
出版社への連絡は、各雑誌の漫画家募集ページに電話番号やメールアドレスの案内が載っているので、そこへ連絡すればオッケーです。
希望日の2週間前であればだいたい予定を合わせてくれると思います。
原稿をアナログで描いた場合はそのまま持っていけばOKですが、デジタルの場合はデータ持ち込みOKか確認するか印刷をして持っていきましょう。
③持ち込み、感想・アドバイスを受ける
出版社の受付で持ち込み希望であること、担当の方のお名前を伝えて実際に原稿を見てもらいます。
編集者さんが来るまでと原稿を読んでる間は緊張でソワソワしっぱなし・・・
私の過去の持ち込みでは良いところ・悪いところをきちんとお話してくださる編集の方ばかりでした。
1日で複数の出版社を回る場合は時間に余裕を持って予定を組むのがオススメです。
担当の方が作家さんとの打ち合わせで予定の時間より遅い開始になったり、各雑誌ごとに受けたアドバイスを忘れないうちにメモしたりと時間が必要な場面がありました。
編集さんからもらったアドバイス
では実際に編集さんからどんなアドバイスがもらえたの?というところを詳しく書いていきたいと思います。
少女漫画を持ち込みしたので”少女漫画ならでは”のアドバイスとなっています。
作画・見せ方編
・女の子は可愛く、男の子は色っぽく!
女の子と男の子の描き分けは骨格や筋肉の付き方を知るとレベルアップに繋がるそうです。
また好きな漫画家さんの絵を100%で模写するとかなり勉強になると教えてもらいました。
やってみると意外と”100%”は難しいですが、そのあと自分のオリジナル絵を描くとデッサンも良くなったりして効果が高いように感じました。
・感情は表情だけでなく目の描き込み具合で表現できる!
黒目やまつげ部分の描き込み方やトーンとの組み合わせ方で表情表現の幅が広がるそう。
特に少女漫画のような登場人物の気持ちに焦点を当てるジャンルには欠かせない技術だそうです。
・コマ割りは導線を意識する!
人が漫画を読む時は「セリフ」と「アップの顔」を無意識に追いかけているそうです。
引きの画面や小さい人物の絵は流し見程度なので、コマ割りではセリフの位置とコマ割り線の形で目線を誘導するといいそうですよ。
好きな漫画の1話分を全ページ模写してみると、どんな風に人物やセリフを配置しているか掴めるそうです。(私もこの方法を試して改善されました!)
また赤線でセリフを追いかけると構造が理解しやすいですよ。
・背景は見開きで確認を!
漫画を見開きで確認した時に背景が全くなかったりすると状況が伝わりにくくなり、読みにくくなります。
また効果用のトーンを使った背景は感情と照らし合わせて、どの感情の時にどんなトーンを使っているか?など研究をすると◎
ストーリー編
・エピソードは一番見せたい所までの最短ルートを探す!
スタート→小見せ場→小見せ場→大見せ場
とあったとするとそれぞれの見せ場へはどんどん進む方が面白い話が作りやすいそうです。
5ページも6ページもつまらないものが続くと読者はページをめくる手が鈍くなるので、読み手を意識する場合はあれもこれもと詰めすぎないのがオススメです。(私はよくやりがち・・・)
・エピソードの選定に迷ったらチャプターごとに分けて視覚化!
各チャプターの要素とキャラクターの心理を書き出し、前後で被っているところや足りないところがないか確認していくと読みやすいストーリー構成が作りやすくなります。
・エピソードも大事だけど、より掘り下げたいのは「キャラクター」!
- どのキャラクターのどこに共感してほしいのか?
- どんな読者に向けて描いているのか?
を考える時に登場人物の価値観や思考を掘り下げておくことが重要だそうです。
漫画や映画などの他の作品に出てくる好きなキャラクターの好きな理由を自分で言語化することで身につくそうなのでお試しくださいね。
その他 タメになるこぼれ話
・ネットでネームの見せ合いコミュニティがあるらしい
自分ではもうわからない・・・相談できる人が周りにいない・・・とお悩みの方はネットでのコミュニティを活用するとトンネルから抜け出すきっかけになるかも。
・自分が面白いと思うなら100万人は面白いと思うはず!
「自分の感覚が自分にしかないわけがない」というなんとも力強い言葉をもらいました。
まずは自分が「良い!好き!」と思うものを描くこと、それに共感する読者はたくさんいるはずだというお話が印象的でした。
漫画制作から持ち込みまでに使用したもの
最後に私が漫画制作から持ち込みまで、必要になったものを紹介したいと思います。
下書き用の原稿用紙
当時はデジタルに慣れておらずアナログで描く方が早かったため、下書きは実際の原稿用紙に描いてスキャンしていました。
CLIP STUIO
デジタルでの漫画制作に必要不可欠なお絵かきソフトです。
トーンや効果、ペン先などたくさんの種類がありますのでこれ一つでまかなえます。
長く使うならトーンや原稿用紙を買う費用を削れるのでお得かな、と思いますよ。
参考記事>
CLIP STUIO PAINT(クリスタ)+液晶ペンタブレット「Cintiq Pro16」をレビュー!
B4ファイル
持ち込みの際に印刷した原稿をファイリングして持っていきました。
こうすることで自分でも見開きで確認しやすかったり、折れずに持って行けたりと便利でした。
メモ帳やノート
編集さんから聞いた話をメモするのに使いました。
一度録音していいか聞いたことがありますが、ある編集さんいわく、聞いた話の中で自分の中に残った言葉を覚えておけば十分だそうです。
持ち込みは自分の弱点を知れる!
持ち込みの一番の強みは「自分個人の弱点を知れること」だと思っています。
客観的に見た感想や意見を聞くことで自分に足りないところ、その改善点を知ることができるのは上達への近道に感じました。
人に見てもらえてモチベーションも上がりますので ぜひ一度行ってみてくださいね。