こんにちは!イラストレーター・絵本作家の飯田麻奈(@mana_ruufu)です。
以前書いた記事の通り、私はアルバイトをしながら副業でイラストの仕事をしていたのですが、ありがたいことにその後、半年間イラスト1本で生活することができました。
フリーランスになるうえで自分なりに対策を立て、先輩方からも話を聞いていたので心の準備はできていたつもりだったのですが、実際フリーランスになってみて気づいたことがいくつかありました。
今回は、実際にフリーランスのイラストレーターとして独立してみて大変だったことと良かったことについてお話していこうと思います。
これから独立を考えている方の参考になれば幸いです。
独立して大変だったこと
お金の管理が難しい!
会社で働いていれば毎月決まった日にお給料が振り込まれます。
社会保険や健康保険料、年金、住民税などは会社が管理してくれていましたが、独立後はこれらのお金を自分で支払わなければなりません。
全て決まった日に口座から引き落としてくれたらいいのですが、支払いの種類によって引き落とされる時期がバラバラ。
支出だけではなく、収入が入ってくる日もバラバラです。
複数のクライアントから仕事を請け負っているので、クライアントによって原稿料が支払われる時期が異なります。
中には仕事をしてから半年後に振り込まれるなんてことも。
先月たくさん働いたから今月は潤っているだろうと思い込んでいて、痛い目を見るなんてこともありました(笑)
こういった細かな部分まで考えていなかったので、独立する際に頭に入れておくべきだったと反省しております。
時間の管理も自分でやる
会社で働いている時って、出社時間、休憩時間、退勤時間が決まっていました。
これって当たり前のことだと思っていたんです。自分が独立して1人で仕事をするようになってからは見事に生活サイクルが崩れました。
初めの1ヶ月は時間を決めて生活リズムを崩さないように気をつけていたのですが、仕事に熱中してしまうとついつい就寝時間が朝方なんてことも……。
食事をとるのを忘れてしまったり、通勤がないので運動不足だったり、ずっと座りっぱなしで腰が痛かったり。独立する前より少し痩せました(笑)
イラストレーターの先輩でウォーキングや自転車が趣味だという方が何人かいます。
自分で何かしら運動する趣味を作らないと体を壊すからだなと思いました。
自己管理ができているプロの絵描きさんってすごい……!と、改めて痛感した部分です。
話し相手がいない
これって実際に体験した人じゃないとわからないことだと思うんです!
昔読んだ漫画家さんのエピソードで「孤独すぎてこんなことしちゃった」なんていうのがあって笑っていましたが、自分がなってみてとてもよくわかりました。
ずっと1人で自宅にこもって仕事をしているので、話し相手がいません。
たまにクライアントと打ち合わせがあり外に出かける日もありますが、基本的に毎日1人で作業をしています。
独立当初は仕事に集中できてとても良い環境だなと思っていました。
しかし、日を追うごとに「話し相手がいない」ことに対するストレスが溜まってくるのです。
会社で働いていると、「ちょっとここわかんないな」ってことが出てきてもすぐに先輩に聞けば教えてもらえます。
仕事で嫌なことがあっても、休憩時間に誰かしら愚痴を聞いてくれます。
でも、1人で働いているので、誰も聞いてくれる相手がいないのです。
だんだん孤独感がひどくなってくると、壁に張ってあるポスターに向かって話していました。
「自分の脳内にいるイマジナリーフレンドとお話していた」時期もありました。
こういったエピソードを話しても、変人扱いされず「さすが絵本作家さんだね!」と言ってもらえるのがせめてもの救いです。
イラストレーターの先輩の中には、絵で生活できているのになぜか週1程度のアルバイトを辞めない作家さんもいらっしゃいます。
話し相手がほしいからなのでは、と独立してみてわかりました。
独立して良かったこと
絵の仕事に集中できる
ここまで大変だったことを書いてきましたが、良かったことももちろんあります。
やっぱり1番は、「絵の仕事に集中できる」ことじゃないでしょうか。
副業していた頃は「やってみたいけどスケジュールが厳しい仕事」になかなか手を出せませんでした。
独立してからは自分の時間を自由に使えるので、やってみたいと思っていた仕事に挑むことができます。
私にとって1番良かったのは、絵本の仕事ができたことです。
絵本の絵ってB3サイズを十数枚描くことが多いのですが、このサイズの絵を描くにはまとまった時間が必要なんです。
細切れの時間で作業をすると、頭の中にあるストーリーの世界観が薄れてしまったり、絵の具が乾いてしまったりするからです。
存分に、自分のやりたい仕事に集中できるのが良かったです。
美術館巡りなどに時間を割ける
イラストレーターにとって、美術館やギャラリーなどを巡って他人の絵を観ることも大事な仕事のひとつです。
副業していると、どうしても目の前にある仕事をこなすことを優先してしまい、わざわざ遠出をしてまで美術館に行くのは後回しになってしまいます。
独立してからは、「今日は美術館に行ってから仕事をしよう」といったスケジュールを組めるようになります。
おかげで、ゴッホやピカソといった世界的有名画家の絵画はもちろん、小さなギャラリーでやっている短い会期のグループ展や個展などにも足を運べました。
また、旅行や読書、映画鑑賞の時間も増やせるので感性が磨けます。
そういうライフスタイルが「私は作家でいいんだ」という自信を持たせてくれました。