イラストレーターのなり方

イラストレーターになるには?資格・進路・就職・独学と年収、未経験からの始め方【2026年版】

イラストレーターのなりかた 進路・就職・独学
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絵を描くのが好きで、いつかそれを仕事にしたい。でも、いざ調べはじめると分からないことだらけです。

  • 美大や専門学校に行かないと、イラストレーターにはなれないのか
  • 資格は必要なのか、独学でもプロになれるのか
  • そもそも、イラストレーターとして食べていけるのか

先に結論をお伝えします。イラストレーターになるのに、資格も学歴も必要ありません。独学でもなれます。ただし、「絵が描ける」と「イラストレーターとして仕事が続く」のあいだには、学校ではあまり教わらない差があります。

このサイトの運営者の粕田は、美術とは関係のない大学の法学部を出て、ほぼ独学でイラストレーターになりました。新卒でフリーランスになって一度失敗し、会社員イラストレーターを11年続けたあと、34歳で独立。今はアニメーション制作会社を経営し、イラストレーターさんに仕事を発注する側にもいます。

検索で上位に出てくる「なるには」の記事の多くは、専門学校や通信講座が自分の学校を紹介するために書いたものです。この記事は学校ではなく、実際になって、つまずいて、今は発注もしている立場から、進路・就職・独学・年収・独立までを一つにまとめました。

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  1. そもそもイラストレーターの仕事とは|仕事内容と主な種類
    1. 主な仕事の種類
  2. 結論|イラストレーターになるのに必要なもの・必要ないもの
  3. 数字で見るイラストレーターという仕事|年収・求人・働き方の実態
    1. この数字の読み方(ここが大事です)
  4. イラストレーターの働き方は3つ|会社員・フリーランス・副業
  5. 進路の選び方|美大・専門学校・独学・通信講座を比べる
  6. 立場別|イラストレーターを目指す最初の一歩
    1. 高校生
    2. 大学生・専門学校生
    3. 社会人・主婦/主夫
  7. イラストレーターとして就職するには|求人の職種名と就職先
    1. 求人で使われる主な職種名
    2. 主な就職先
    3. 未経験でも採用されるのか
  8. 独学でイラストレーターになれる?|身につける順番
  9. イラストレーターに必要なスキルと道具
    1. スキルは4つ
    2. 道具はこれだけあれば始められる
  10. 最初の仕事を取るまでの5ステップ
  11. イラストレーターの年収・収入の現実
  12. フリーランスとして独立するなら|一度失敗した運営者が伝えたい順番
    1. 22歳で独立して、1年で失敗した
    2. 34歳の再独立でうまくいった理由
  13. 生成AIの時代にイラストレーターを目指すなら
  14. イラストレーターに向いている人
  15. よくある質問
    1. Q. イラストレーターになるには資格が必要ですか?
    2. Q. 美大や専門学校に行かないとなれませんか?
    3. Q. 何歳からでもイラストレーターになれますか?
    4. Q. 独学だとどのくらいでプロになれますか?
    5. Q. 未経験から会社員のイラストレーターになれますか?
    6. Q. 絵が上手くないと目指せませんか?
    7. Q. 在宅でイラストレーターの仕事はできますか?
  16. まとめ|イラストレーターになるには、この順番で

そもそもイラストレーターの仕事とは|仕事内容と主な種類

イラストレーターは、誰かの目的のために絵を描く仕事です。自分の描きたい絵を描いて売る「画家」や「作家」と違い、多くの場合は依頼主がいて、「何に使う絵か」が先に決まっています。

主な仕事の種類

分野 描くもの 依頼主の例
書籍・出版 本の表紙・挿絵、雑誌のカット、図解 出版社、編集プロダクション
広告・販促 広告ビジュアル、チラシ、パッケージ、キャラクター 広告代理店、制作会社、メーカー
Web・SNS サイトの挿絵、バナー、SNS投稿用の絵、アイコン Web制作会社、企業の広報、個人
ゲーム キャラクター、背景、アイテム、カード ゲーム会社
動画・アニメーション 動画用のキャラクター・背景、絵コンテ 映像制作会社、アニメーション制作会社
グッズ・素材 グッズのデザイン、ストックイラスト グッズメーカー、素材サイト(自分で販売)

同じ「イラストレーター」でも、分野によって求められる絵柄も、仕事の進め方も大きく違います。目指す前に「どの分野で描きたいか」を一度考えておくと、進路や作品作りの方向が決めやすくなります。仕事の種類ごとの相場や取り方は、こちらにまとめています。

結論|イラストレーターになるのに必要なもの・必要ないもの

まず、よくある誤解を整理しておきます。

項目 必要? 理由
資格 不要 イラストレーターになるための国家資格や必須の資格はありません。厚生労働省の職業情報サイト(job tag)でも「関連する資格はありません」とされています
美大・専門学校の卒業 不要 仕事を頼む側が見るのは学歴ではなく作品です。会社員として採用されるときも、ポートフォリオ(作品集)が判断の中心になります
画力 必要 ただし「誰よりも上手い」必要はありません。頼まれた絵を、決まった品質で、毎回出せるかが基準です
デジタルで描く力 ほぼ必要 仕事のやり取りはデータが前提です。アナログの作風でも、データ化や修正はデジタルで行うのが一般的です
ポートフォリオ 必要 就職でもフリーランスでも、最初に見られるのはここです
仕事の進め方 必要 納期・連絡・修正への対応。発注する側が最後に決め手にするのは、実はここです

つまり、入口で問われるのは「資格」ではなく「作品」と「仕事として任せられるか」です。この2つをどう身につけるかが、この記事の中身になります。

数字で見るイラストレーターという仕事|年収・求人・働き方の実態

厚生労働省の職業情報サイト「job tag」には、イラストレーターの統計がまとまっています。目指す前に一度、全体像を数字で押さえておきましょう。

項目 数値 元の調査
就業者数 47,320人 令和2年国勢調査
平均年収 492.2万円 令和7年賃金構造基本統計調査
平均年齢 39.8歳 同上
有効求人倍率 0.06倍 令和7年度
一般的な働き方として「自営・フリーランス」を挙げた人 88.7% job tag 就業者アンケート(複数回答)

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「イラストレーター」

この数字の読み方(ここが大事です)

  • 年収492.2万円は「雇われている人」の数字です。賃金構造基本統計調査は、従業員5人以上の事業所などに雇われている人を対象にした調査なので、フリーランスの収入は入っていません。フリーランスの収入は人によって大きく違います
  • 有効求人倍率0.06倍は、ハローワークでこの職業の仕事を探している人に比べて、求人がとても少ないということです。求人1人分に対して、求職者がおよそ17人いる計算です(民間の求人サイトの求人は含まれません)
  • 働いている人の9割近くが、この仕事の一般的な働き方は「自営・フリーランス」だと答えています。会社に雇われずに仕事を受ける人が多い仕事です

また、job tag の統計は国の職業分類で集計されているため、イラストレーター以外の近い職業が含まれている可能性があります。目安として見るのがよい数字です。

ここから分かるのは、イラストレーターとして雇われる求人を待っているだけでは、入口はかなり狭いということです。だからこそ、後で紹介する「別の名前で出ている求人」や「フリーランス・副業から入る道」を知っておく価値があります。

イラストレーターの働き方は3つ|会社員・フリーランス・副業

「イラストレーターになる」といっても、働き方は大きく3つあります。どれを目指すかで、準備も進路も変わります。

会社員 フリーランス 副業
収入 毎月の給与で安定 案件次第で上下が大きい 本業の上乗せ
仕事の取り方 会社が取ってくる 自分で取る 自分で取る
描くもの 会社の方針に沿う 選べる(受ける・断る) 選べる
身につくこと 現場の進め方・チーム制作 営業・交渉・お金の管理 小さく試す経験
向いている人 まず実務を学びたい人 経験と取引先がある人 今の仕事を続けながら始めたい人

運営者の粕田は、この3つを全部通ってきました。振り返って強く思うのは、最初から完成形(フリーランス)を目指さなくていいということです。会社員で現場の進め方を覚える、副業で小さく仕事を受けてみる。どちらも、後で独立するときの大きな財産になります。

具体的な体験は、この記事の後半「フリーランスとして独立するなら」で詳しく書きます。

進路の選び方|美大・専門学校・独学・通信講座を比べる

学生の方がいちばん悩むのが進路です。それぞれの特徴と費用の目安を、学校の宣伝ではない立場で並べます。

進路 費用の目安 得られるもの 注意点
美術大学 私立大学の初年度納付金の平均は約151万円(全学部の平均。美術系は平均より高い学校も多いので、各校の募集要項で確認を。画材費なども別途かかる) 4年間の基礎と表現の幅、人脈、学歴 商業イラストの「仕事の取り方」は自分で学ぶ必要がある
専門学校 東京都内の「美術・デザイン・写真」分野の初年度納付金の平均は約122万円、「アニメ・声優・ゲーム」分野は約132万円、「ゲーム・CG」分野は約145万円 実務寄りのカリキュラム、業界とのつながり、就職支援 学校によって質の差が大きい。卒業生の就職先を具体的に確認したい
独学 ほぼ道具代のみ(パソコン・ペンタブレット・ソフト) 自分のペースで、お金をかけずに始められる 基礎の抜けに気づきにくい。作品を見てもらう相手を自分で作る必要がある
通信講座・オンラインスクール 講座による(受講前に総額を確認) 働きながら体系的に学べる、添削が受けられる 修了しても仕事が来るわけではない。ポートフォリオ作りまで見てくれるかを確認

出典:文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果」、東京都専修学校各種学校協会「令和6年度 学生・生徒納付金調査」(専門学校は昼間部、いずれも初年度)

大事なのは、どの進路を選んでも「卒業=イラストレーター」にはならないことです。学校が与えてくれるのは、基礎と環境と時間です。その時間で、仕事を想定した作品を何枚作れたかが、卒業後の差になります。

ちなみに粕田は、美術系ではない大学の法学部の出身です。デッサンだけは独学がしんどくて、月4回・月謝5,000円のデッサン教室に半年ほど通いました。あとはほぼ独学です。美大を出た方の体験談はこちらにあります。

立場別|イラストレーターを目指す最初の一歩

今の立場によって、最初にやることは変わります。

高校生

  • 進路を決める前に、描いた絵をSNSやイラスト投稿サイトに出してみる。人に見せる習慣は、どの進路でも役に立ちます
  • 専門学校や美大を考えているなら、オープンキャンパスで「卒業生がどこで働いているか」を具体的に聞く
  • デッサンの基礎は、この時期に始めておくと後がとても楽です

大学生・専門学校生

  • 在学中に小さな有償の仕事を1件でも受けてみる。知り合いのアイコン、サークルのチラシでもかまいません。「お金をもらって描いた絵」はポートフォリオの重みが変わります
  • 就職を考えるなら、志望する会社の作風に合わせた作品を、先頭に並べたポートフォリオを用意する

社会人・主婦/主夫

  • いきなり仕事を辞めずに、副業として小さく始めるのが現実的です
  • 今の仕事で身につけた経験(業界知識・進行管理・接客など)は、イラストの仕事でも強みになります

年代別・立場別の詳しい進め方は、こちらの記事にまとめています。

イラストレーターとして就職するには|求人の職種名と就職先

「イラストレーター 就職」で調べて、求人の少なさに驚いた人も多いと思います。実は、会社でイラストを描く仕事は「イラストレーター」以外の名前で募集されていることがよくあります。

求人で使われる主な職種名

  • 2Dデザイナー/キャラクターデザイナー:ゲーム会社でキャラクターや背景、アイテムを描く仕事
  • グラフィックデザイナー(イラスト制作あり):広告・Web・印刷物の制作会社で、デザインとイラストの両方を担当
  • 2Dグラフィッカー/背景デザイナー:ゲーム会社で、キャラクター以外のグラフィックや背景を担当
  • モーションデザイナー:広告や動画の制作で、絵を描いて動かす(アニメ業界の「アニメーター」は、原画・動画を担当する別の職種として募集されます)

求人を探すときは「イラストレーター」だけでなく、これらの名前でも検索してみてください。それだけで、見つかる求人が増えます。

主な就職先

就職先 描くもの 特徴
ゲーム会社 キャラクター、背景、アイテム、画面のボタンやアイコン イラストを描く職種の正社員募集が出やすい分野のひとつ。作風への要求がはっきりしている
イラスト・映像の制作会社 広告、書籍、Web、動画の絵 案件の幅が広く、いろいろな絵柄を経験できる
広告・Webの制作会社 バナー、商品紹介ページ(LP)、販促物 デザインの力も求められる
出版社・編集プロダクション 挿絵、表紙、図解 正社員の募集は少なく、外注が中心のことが多い
一般企業のデザイン部門 自社商品・広報の絵 自社の仕事に専念できるが、描く量は会社による

未経験でも採用されるのか

粕田は、最初の就職で何社も落ちたあと、ガラケーの待ち受けやFlashゲームを作る携帯コンテンツの制作会社にアルバイトとして拾ってもらい、のちに正社員になりました。面接で「イラストレーター(Adobe Illustrator)とフォトショップは使えますか?」と聞かれて「使えます」と答えたものの、入社してから全然使えていなかったことに気づいた、という苦い思い出もあります。

その後アートディレクターとして面接する側にもなりましたが、未経験の人も普通に採用してきました。見ていたのは、志望する会社の作風に合った絵があるか、そして仕事への熱意です。

ポートフォリオの作り方と、未経験からゲーム会社に入るコツは、こちらで詳しく書いています。

求人やイラストの仕事の募集をどこで探すかは、こちらの記事にまとめました。

独学でイラストレーターになれる?|身につける順番

なれます。粕田もほぼ独学です。ただし独学には「何をどの順番でやるか」を自分で決めなければいけない難しさがあります。おすすめの順番はこうです。

  1. デッサン・人体の基礎:形を正しく取る力は、どんな絵柄にも効いてきます。独学がつらい部分なので、ここだけ教室や講座を使うのも手です
  2. デジタルで描けるようにする:仕事はデータでのやり取りが前提です。ペンタブレットとペイントソフトに早めに慣れましょう
  3. 好きな作家の模写で「上手い理由」を分解する:線・色・構図のどこが効いているのかを、手を動かして確かめます
  4. 自分の絵柄で量を描く:同じ絵柄で、いろいろな題材を描けるようにします
  5. 仕事を想定した作品を作る:架空の依頼(書籍の表紙、商品パッケージ、広告のキャラクターなど)を自分で設定して描きます。これがそのままポートフォリオになります

独学でいちばん抜けやすいのは5番目です。「上手い絵」と「使える絵」は違うので、誰かに頼まれたつもりで描く練習を早めに始めてください。

イラストレーターに必要なスキルと道具

スキルは4つ

  1. 画力:ただし基準は「誰よりも上手い」ではなく「頼まれたものを、毎回同じ品質で出せる」こと
  2. 伝える力:依頼の意図をくみ取り、ラフで確認し、修正の相談ができること。粕田は、イラストレーターに最も必要なのは画力より「伝える力」だと考えています
  3. ソフトを使いこなす力:ペイントソフトに加えて、仕事によってはAdobe Illustrator・Photoshopのデータで納品を求められます
  4. 仕事の基本:納期を守る、連絡を返す、見積もりを出す、お金の管理をする

道具はこれだけあれば始められる

  • パソコン(またはiPadなどのタブレット)
  • ペンタブレット、または液晶ペンタブレット
  • ペイントソフト(CLIP STUDIO PAINTなど)。仕事の幅を広げるならAdobe Illustrator・Photoshop

最初から高い機材をそろえる必要はありません。仕事が来はじめてから、足りないものを足していくくらいで十分です。

最初の仕事を取るまでの5ステップ

就職でもフリーランスでも、「初めてお金をもらって描く」までの流れはほぼ同じです。

  1. 描きたい分野を1つ決める:書籍、ゲーム、広告、SNS向けなど。最初から全部を狙わないことがコツです
  2. その分野を想定した作品を10点前後そろえる:架空の依頼を自分で設定して描きます。絵柄は統一し、弱い作品は入れません
  3. ポートフォリオにまとめて、URLを1つ持つ:ポートフォリオサイトやSNSのまとめなど、見せる先をひとつに絞ります。何のために描いた絵かを一言添えると、見る側に伝わりやすくなります
  4. 小さな有償の仕事を1件取る:知り合いの依頼、スキルマーケット、クラウドソーシングなど。金額より「お金をもらって描いた実績」を作ることが目的です
  5. 次につながる相手に広げる:制作会社への協力クリエイター登録や、会社への応募へ。1件目の実績を持って動くと、反応が変わります

粕田が会社員時代に副業を始めたときも、最初はクラウドソーシングで30件応募して1件受注くらいでした。最初の1件までが一番大変で、そこを越えると少しずつ回りはじめます。駆け出しの時期の動き方は、こちらの記事が参考になります。

イラストレーターの年収・収入の現実

「数字で見る」の章で紹介したとおり、会社員のイラストレーターの平均年収は492.2万円(job tag・令和7年賃金構造基本統計調査)です。ただ、これは平均年齢39.8歳の、雇われている人の数字です。最初からこの金額になるわけではありません。

参考までに、粕田の会社員時代の年収の推移です。最初の会社(4年在籍)を辞めるときの年収が240万円ほど。そこから4回の転職で、年収は480万円まで上がりました。上がった理由は、絵が急に上手くなったからではなく、アニメーション・デザイン・チームのまとめ役など、できる仕事を増やしてから、それを材料に交渉・転職したからです。

会社員を続けながら副業も伸ばした時期には、会社の給与と副業を合わせて、最高で月130万円ほどになった月もありました。

フリーランスの収入は、取引先の数と単価の決め方で大きく変わります。何で年収が決まるのか、会社員・フリーランス・副業の違いは、こちらで詳しく比べています。

フリーランスとして独立するなら|一度失敗した運営者が伝えたい順番

「イラストレーター=会社に属さない人」というイメージから、いきなりフリーランスを目指す人は多いと思います。粕田もそうでした。

22歳で独立して、1年で失敗した

大学を卒業してすぐ、フリーランスのイラストレーターとして活動を始めました。仕事の取り方はSNSの案件募集に応募するだけ。稼ぎはお小遣いにも満たず、テレアポのアルバイトが週2日から週4日に増えていき、「このままじゃフリーランスじゃなくてフリーターだ」と気づきました。技術も、準備も、戦略もなかったのが原因です。

34歳の再独立でうまくいった理由

会社員イラストレーターとして11年働いたあと、34歳で再び独立しました。今度は準備をしてからです。

  • 独立前に1年ほど副業期間を作った。クラウドソーシングでは最初は30件応募して1件受注くらいでしたが、後半は副業だけで月40万円ほどの売上になりました
  • 収入の窓口を複数持った。受託の仕事に加えて、ブログやストックイラストなど、手を動かさなくても入るお金を作りました
  • 半年間収入がなくても暮らせる貯金を、独立の条件にしました

今振り返ると、会社員の11年間で「仕事の進め方」と「頼んでくれる人とのつながり」を手に入れていたことが一番大きかったと感じています。

生成AIの時代にイラストレーターを目指すなら

生成AIで絵が作れる時代に、今からイラストレーターを目指して大丈夫か。不安に思う人も多いはずです。

発注する側にいる実感としては、「1枚の絵を描く」だけの仕事より、その先まで任せられる人が求められやすくなっています。たとえば、

  • 同じキャラクターを、どんな場面でもぶれずに描き分けられる
  • 依頼の意図を読んで、ラフの段階で提案できる
  • 修正に柔軟に対応し、仕事として最後まで責任を持てる
  • 動画やアニメーションに使える形(パーツ分けなど)で納品できる

どれも、これから目指す人が最初から意識しておけるものです。特に最後の「動かせる形」は、絵が描ける人なら始めやすい力です。描ける範囲を一つ隣に広げておくと、選べる仕事の幅が変わります。

現場で求められている「動かせるイラストレーター」になるための講座として、AdAnimeSTUDIO も運営しています。

イラストレーターに向いている人

  • 描くことを毎日続けられる人:上手さより、続けられることが一番の才能です
  • 人の意見を素直に聞ける人:仕事の絵は、依頼した人と一緒に作るものです
  • 締め切りを守れる人:どんなに上手くても、期日に出せなければ次の依頼は来ません
  • 自分の絵を「商品」として見られる人:誰が、何のために使う絵なのかを考えられる人は伸びます

当てはまらないものがあっても大丈夫です。どれも、仕事をしながら身についていくものです。イラストレーターを目指す人に伝えておきたいことは、こちらにもまとめています。

よくある質問

Q. イラストレーターになるには資格が必要ですか?

必要ありません。厚生労働省の job tag でも、関連する資格はないとされています。資格より、作品(ポートフォリオ)と仕事の進め方が見られます。

Q. 美大や専門学校に行かないとなれませんか?

行かなくてもなれます。学校は基礎と環境を得る場所で、卒業すれば仕事が来るわけではありません。独学の場合は、作品を見てもらう相手を自分で作ることを意識してください。

Q. 何歳からでもイラストレーターになれますか?

なれます。会社員として採用される場合は若い方が有利な面もありますが、フリーランスや副業なら年齢はほとんど関係ありません。それまでの仕事の経験が、むしろ強みになることもあります。

Q. 独学だとどのくらいでプロになれますか?

人によって大きく違うので、一概には言えません。目安にしたいのは期間より、「仕事を想定した作品が10点前後そろったか」です。そこまで来たら、小さな有償の仕事に挑戦してみてください。

Q. 未経験から会社員のイラストレーターになれますか?

なれます。採用する側は、未経験かどうかより、志望する会社の作風に合った作品があるか、熱意があるかを見ています。「イラストレーター」以外の職種名(2Dデザイナーなど)でも求人を探してみてください。

Q. 絵が上手くないと目指せませんか?

今上手くなくても目指せます。粕田も、バイト先の知人に紹介してもらった美大出身のデザイナーに絵を見せて「すっげえ下手だね」と言われたところからデッサンを始めました。大切なのは今の実力より、基礎を積み上げる時間を取れるかどうかです。

Q. 在宅でイラストレーターの仕事はできますか?

できます。フリーランスや副業のイラストの仕事は、在宅で完結するものが多くあります。会社員の場合は、リモート勤務ができるかどうかは会社によって違うので、募集要項で確かめてください。

まとめ|イラストレーターになるには、この順番で

  1. 資格も学歴も不要。見られるのは作品と、仕事として任せられるか
  2. 数字で現実を知る。会社員の平均年収は492.2万円。ただしフリーランスが多い仕事で、ハローワークの求人倍率は0.06倍
  3. 働き方を選ぶ。会社員・フリーランス・副業。最初から独立を目指さなくていい
  4. 進路を選ぶ。美大・専門・独学・通信。どれでも「仕事を想定した作品」を作れるかが差になる
  5. 就職は職種名を広げて探す。2Dデザイナー、キャラクターデザイナー、制作スタッフなど
  6. 独立は準備してから。副業期間・複数の収入・半年分の貯金

イラストレーターは、「なる」までよりも「続ける」方がずっと長い仕事です。絵の力と、仕事として任せられる力。その両方を少しずつ積み上げていけば、学歴や経歴に関係なく、道は開けます。